協力して実証実験を行う、左から鹿野エグゼクティブ・プロデューサー、
鈴木副市長、幕張メッセの藤野達夫社長、SBドライブの佐治社長兼CEO
CPS/IoT総合展「CEATEC 2019」の開幕前日となる14日、報道関係者向けに自動運転の実証実験を公開した。会場となる幕張メッセ(千葉市美浜区)から出発し、JR京葉線・海浜幕張駅方面に向かい、その後戻ってくる1.5kmの周回コースを時速約18kmで走行する。
自動運転バスが幕張メッセ周辺を約15分かけて走行
実証実験に先立ち、CEATEC実施協議会の鹿野清エグゼクティブ・プロデューサーは「CEATECは今年で20回目。記念企画として『スマートモビリティイノベーション』に焦点を当て、この場で実証実験をやることに決めた」などとあいさつ。「『Society5.0』の社会では自動運転は当たり前になる。(Society5.0を目指す)CEATECで実証実験をやるのはふさわしいこと」と力を込めた。
実証実験には自治体の協力も不可欠。国家戦略特区としてドローンによる宅配や自動運転の実証実験にも取り組む千葉市からは、鈴木達也副市長が駆け付け、「近未来の技術を駆使した取り組みを千葉市はやっていく」と強調した上で、「将来の幕張新都心、千葉市の発展につながる、その第一歩が自動運転だ」と期待感を示した。
今回の実証実験ではソフトバンクグループのSBドライブ(東京都港区)が車両を用意。仏Navya社のバス型電気自動車(15人乗り)を一部改良し、11人乗りとして使用する。
11人乗りに改良した車内
自動運転車は、信号機と車両がクラウドを介して通信する日本信号(東京都千代田区)の技術を利用。「信号機が何秒後に赤に変わるかという情報をクラウドから得る」(SBドライブ・佐治友基社長兼CEO)ことで、信号で停止する際に急ブレーキをかけずに済むようにしている。今回の実験では、1回当たり8人と保安要員など2人が乗車する。
SBドライブはこれまで東京都内や長野、北海道の4カ所で公道実験を行ってきた。
佐治社長兼CEOは「時速18kmの公道による実証実験は国内最速」と説明する。車両スペックとしては45kmまでスピードを出せるという。
自動運転バスはコミュニティバスや補助的路線での利活用を目指して実証実験を行っている。「毛細血管のような役割を果たす」(佐治社長兼CEO)ことで、地域住民に利用してもらうことを目指している。