電中研は太鼓を叩くと発電し光るバチなどを展示した
人間の動きや建物の揺れなどの身近な振動から電気を作り出す――。電力中央研究所はCEATEC 2019で、そんな振動発電技術を活用した新しいエンターテインメントを展示し、注目を集めている。
振動発電技術は電池や配線が不要な小型自立電源。会場では、圧力を加えて発電させる「圧電効果」と、電荷をもつ材料を近づけると電気が発生する「静電誘導」を紹介した。
電中研が展示した振動発電素子付きの扇子
発電素子を取り付けたバチで太鼓を叩くと、その強さに応じて発電量が増して明るく光った。安全なバッテリーレスの玩具など、エンタメ分野への応用を目指しているという。
電中研の担当者は、「将来的には異常な振動を検知するバッテリーレスのセンサーを橋の予防保全につなげるなど、インフラ監視に役立てたい」と話す。
振動発電技術の実用化に向けては、東京理科大や自動制御機器メーカーなどの産学と共同開発を進めている。