DAY 2 (10/16)

VAIOがロボット汎用プラットフォーム実用化

12月にコミュニケーションロボット発売


おしゃべりコウペンちゃん

 VAIOは、ロボット汎用プラットフォーム「Simple」ハードウエアを実用化、実装化したコミュニケーションロボット「おしゃべりコウペンちゃん」を12月に発売すると発表した。先行販売受け付けを23日から開始。ロボット汎用プラットフォームはデバイス調達力など同社の強みを生かし、ロボット事業に参入したい企業のサポートを行う。
 同社はロボット、IoT製品開発やサービス運用のために必要なハード・ソフト・ソリューション・クラウドサービス・サポート・各種サーバーなど全ての機能を提供できる強みを持つ。この強みをロボット汎用プラットフォームとして提供し、ロボット参入事業者の短時間、効率的なロボット開発を可能にする。
 「従来事業者で行っていたハードウエア開発などは当社が各ベースインフラを提供し、必要な開発を効率的に短期間で行うことができる。開発費、製品コスト、スケジュールを抑えることができる」と同社イノベーション本部ロボット&ビジネスグループの児嶋信二部長。


説明する児嶋部長

 「Middle」、「Simple」、「Mini」の3機種のハードウエアを用意。Middleは駆動部やカメラを搭載するなど多機能ロボット開発に最適な中―高価格帯、Simpleはコミュニケーションロボットに必要な全ての機能が搭載された低―中価格帯、Miniは簡易な対話を目的とした低価格帯の機種としてそれぞれ提供する。
 このほか、様々な音声認識に対応したソリューションや対話エンジン、ロボット制御に最適なOSやフレームワークも用意。製品発売後でもリモートで製品をアップデートできるOTA機能や運用システム、サービス・サポートも総合的に提供する。「VAIO PC設計の経験で培った小型化技術、低消費電力化技術、高精度な機構設計技術などを生かし、高品質な設計を提供する」と児嶋部長。
 今回12月に発売する「おしゃべりコウペンちゃん」は汎用プラットフォーム「Simple」を実用化、実装化したコミュニケーションロボット。SNS上で人気が出た赤ちゃんペンギンのキャラクターで重量は320g、サイズは幅約20×高さ約20×奥行き約16cm。ネットワークをつながずに一部機能を利用できるモードとネットワークにつなげてクラウドサービスを利用するモードの2つのモードを搭載。話しかけるとあいさつや褒めてくれるなどコミュニケーションを行うことが可能だ。
 児嶋部長は「コミュニケーションロボットの目的は会話を楽しみたい、癒してほしい、ほめてほしいなど会話によって人の役に立つことが目的。春―夏にかけて実施したロボットのデモでは体験者から『癒された』『話ができてうれしい』などの声をもらった。本来の目的通り、人の役に立っていると感じている」と語った。
 価格は1万8000円(前後)。500セットを限定に専用サイトからのみ購入できる。