DAY 3 (10/17)

IoTによる知能化工場の実現~FIELD system

ファナック 稲葉善治代表取締役会長

 製造工場は250年前にイギリスではじまった産業革命に匹敵するぐらいの大きな革命が起こっている。ロボットや機械の改良を重ね高速化、高性能化、高品質化してきたモノの時代、大量生産の時代は終わろうとしている。いかに賢く必要なものを最小限のエネルギーで要望に応えながらリーズナブルにフレキシブルに生産することが望まれている。
 日本にモノづくりを呼び戻すためにも我々が進めているスマートファクトリーが必要だ。そのために当社は今FIELD systemとIoTのプラットフォームを提案している。いろんなメーカー、センサー、デバイスを自由につなぐことができる幅広いオープンプラットフォームだ。パートナーは600社になっている。17年10月に国内運用を開始し、20年4月から欧米でもスタートさせる。IoT、AIを駆使したオープンプラットフォームとして広く業界で使われ始めている。当社でも16工場の約1600台の工作機械、ロボット、センサーをつなぎ大量のデータを分析し、いろんな機能の開発が始まっている。アプリケーションだけでも40を超えている。AIマニュアル検索や壊れる前に知らせるゼロダウンタイムにも取り組み、世界中の2万台のロボットの700件のラインストップを防止することに成功している。

 欧米、日本の上位システムとうまくつながるようにもしているところだ。サイバーフィジカルシステムにも取り組み、制御系や検査もAIで機能を作り込んでいる。NTTコミュニケーションズ、富士通、ファナックでデジタルユーティリティクラウドサービスも始める予定だ。5GにもNTTドコモ、日立製作所、ファナックで大量データを高速リアルタイムに制御、レスポンスできるよう進めている。個々の部分最適から工場、フロアの全体最適が行えるようにしていかなければならない。チャレンジをチャンスに変えて日本の製造業を活発化、活性化させ、再び日本が製造立国として世界へ羽ばたけるか、我々にとり大きなチャンスが巡ってきている。大きなチャンスをつかんでいきたい。