人材育成・先生に聞く 紙面 17面

宇宙はデータとして読み解く対象

社会課題解決を支える力に

群馬工業高等専門学校 機械工学科 徳光政弘准教授

私は高専出身で、専門はコンピューターネットワークです。多数のコンピューターを効率的に動かす仕組みなどを研究しています。宇宙との出会いは大学時代に情報通信研究機構(NICT)のインターンシップに参加し、宇宙情報処理や観測データ処理に触れたことです。大学院時代もコンピューターネットワークを軸足に、指導教員の紹介で宇宙分野の研究にも携わってきました。

徳光政弘氏
群馬工業高等専門学校 機械工学科 准教授 徳光政弘先生

最初の米子高専着任後は学生と一緒に「他校があまりやっていない活動」に取り組みたいと考え、ロケットコンテストに参加しました。その後は高専スペース連携やスペースキャンプの活動にも関わり、専門分野を生かして衛星通信やデータ処理に関する講座提案なども行いました。

衛星からのデータはただ眺めているだけでは意味がありません。衛星通信の実際の仕組みを理解し、通信データの構成を読み解き、衛星の状態や観測結果を判断することで、宇宙をデータとして理解できるようになるのです。つまり、宇宙産業は情報産業でもあるのです。宇宙が国の重点分野になっている半面、高専には宇宙を専門的に学ぶ機会は多くありません。特別課程で宇宙の利活用を学ぶ機会をつくることで学生にとって新たな気付きのきっかけになればと思います。生成AI(人工知能)の拡大で、それらしい答えや一般論は簡単に得られます。ただ、それだけでは実際の課題解決にはなりません。

特別課程では抽象論にとどまらず、実際に解ける課題へ落とし込む力を養うことを目指しています。宇宙は一部の専門家だけのものではないですし、見るだけのものでもありません。データとして読み解く対象になっています。その意味で情報系の学生の皆さんが宇宙産業で活躍できる余地は大きいです。衛星データを読み解き社会課題を解決する力が、これからの宇宙産業を支えると思っています。

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