人材育成・先生に聞く 紙面 18-19面
宇宙は専門技術を生かせる場の宝庫
技術とアイデアで新しい価値を
舞鶴工業高等専門学校 機械工学科 宝利剛准教授
元は一般相対論やブラックホールなど理論物理に関心を持って研究を続けてきました。学生と宇宙産業との橋渡しをしたいと思ったのは、学生の熱意に背中を押されたからです。舞鶴高専着任時には宇宙を専門に扱う研究室がなく、学生から「宇宙を学びたいがどうすればよいかわからない」といった相談を受けていました。その後、学生が中心となり天文同好会の立ち上げを支援しました。

私自身は宇宙産業のど真ん中にいませんでしたが、学生を宇宙につなげるために高専スペース連携に参加するようになりました。最近は学生の宇宙への関心が高まってきていると感じますが「宇宙=ロケット・衛星」というイメージが強く、漠然と宇宙に憧れを持っていても自分の専門分野が宇宙産業とどう結び付くかまでは見えていないケースも多いです。
宇宙産業は、衛星データの利活用、防災分野のリモートセンシング、地域課題の解決、産業応用など、さまざまな分野に広がっています。土木系や防災系の学生でも、衛星データを活用することで宇宙分野と関わることができるのです。宇宙技術は特定の学科や専門だけのものではなくなってきています。
宇宙産業は機械、電気、情報、材料、制御、データ活用など幅広い技術が融合する複合技術の産業ですから、多様な技術分野の人材が必要です。高専生の強みは「技術力」と「ものづくりによってアイデアを形にできること」です。技術力とアイデアで新しい価値を生み出せると思っています。
宇宙に興味がある学生だけでなく宇宙を意識していない学生にも、自分が学んでいる専門技術を生かせる場所が宇宙産業の中にたくさんあることを知ってほしいです。学んでいる分野が将来どのように宇宙産業と結び付くのかをイメージできれば、その後の学校生活や進路選択につながると思います。