人材育成・先生に聞く 紙面 14-15面
課題解決型の宇宙人材が必要
宇宙を使って何ができるかを考える場に
新居浜工業高等専門学校 電気情報工学科 若林誠准教授
宇宙産業が今後大きく拡大していく一方で、人材不足が深刻化しています。ただ、学生の皆さんの多くは「宇宙は特殊な分野」「一部のエリートだけが関わる世界」「厳しい世界」と感じているかもしれません。

宇宙はロケットや衛星だけで成り立っているわけではなく、地上設備から、データ活用、通信、材料、機械、電気電子、情報、建築、生物などまで多様な分野が関わる非常に裾野の広い産業です。見方を変えると、宇宙産業は高専生が学んでいる分野との接点が非常に多いとも言えますし、決して遠い世界ではないのです。
2026年度から本格実施となった「宇宙システム利活用人材育成特別課程」は学年や専門を限定していません。1年生から宇宙産業の全体像や裾野の広さを知り、自分の将来の選択肢の一つとして意識してもらいたいと思っています。
宇宙産業に関係する人は、宇宙に“行く人”だけでなく、宇宙を“支える人”、宇宙を使って“課題解決する人”までいますし、ものづくりのスキルだけが求められるわけではありません。もちろん衛星やロケット開発ができる人材も必要ですが、これからは「課題解決型の宇宙人材」が求められるとみています。
これは、課題解決の方法が宇宙でなければならないということではありません。国や地域の課題を見いだし、宇宙を含めた広い視野から課題解決をしていく力が必要になってくるということです。
宇宙に関わることがゴールではなく、社会や地域の課題を解決するために、宇宙をどう活用していくかを考えられるようになってほしいのです。
特別課程を通じて、宇宙産業を知るだけでなく、宇宙を使って何ができるかを自分で考え、宇宙をキーワードに産業や社会だけでなく、自分自身の人生を豊かなものにしてほしいと願っています。