人材育成・先生に聞く 紙面 17面

宇宙はつくる時代から使う時代に

システムズエンジニアリングが必要な力を養う

徳山工業高等専門学校 機械電気工学科 池田光優教授

もともと自動車のエンジンに興味を持ち、燃焼工学と内燃機関工学を専攻しディーゼルエンジンの燃焼改善の研究にも取り組みました。

池田光優氏
徳山工業高等専門学校 機械電気工学科 教授 池田光優先生

燃焼は重力による対流の影響を受けますので、重力の影響を取り除いた環境での燃焼を調べるために北海道の落下施設を使った実験にも関わりました。こうした取り組みを通じて北村健太郎先生(当時徳山高専教授、現九州工業大学教授)に出会い、高専スペース連携に参加するようになりました。

北村先生との関わりの中で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が宇宙機の開発で適用している「システムズエンジニアリング」の考え方を、高専のものづくり教育に取り入れる話が進みました。宇宙分野だけでなく一般的なシステム開発や設計で生かされていますし、ものづくり教育とも相性が良いです。

2025年度はシステムズエンジニアリングの講座を担当しましたが、システム全体を俯ふ瞰かん的に見て最適な開発を進める手法はさまざまな開発で応用できます。

宇宙開発は今、「つくる」時代から「作ったものをどう使うか」「得られたデータをどう活用するか」という時代に移ってきています。宇宙探査機を作るだけでなく、そこから得られた写真やサンプル、データを解析し活用することが重要になってきました。システムズエンジニアリングを学ぶことで、こうした時代に必要となる力を養えると思っています。

電子工作や基礎的なものづくりから、システム設計、プロジェクトマネジメントまで、一貫して学べる環境があるのは高専の強みですし、システムズエンジニアリングを学ぶには適しています。宇宙が産業になりつつある今、そこに関わるにはどのようなスキルが必要か学べることも魅力でしょう。講座を最後までやり抜けば視野が広がり、設計・開発に役立つ力が身に付くはずです。

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