人材育成・先生に聞く 紙面 14-15面

高専だからできる衛星開発

究極のものづくり教育で宇宙に挑む

高知工業高等専門学校 今井一雅客員教授

私の宇宙との接点は大学時代に木星電波の研究テーマに出会ったことです。中学生の頃のアマチュア無線に始まり、宇宙から来る電波の研究を進めてはや50年。この研究が宇宙への展開になり衛星開発につながっています。衛星開発のきっかけは「全国高専が得意分野を持ち寄れば本物の衛星開発ができる」と思ったからです。

今井一雅氏
高知工業高等専門学校 客員教授 今井一雅先生

衛星開発には、機械、電気、情報、通信、制御、材料、ソフトウエアなど、多様な技術が必要です。だからこそ複数の高専が連携すると力を発揮できると考えました。その意味で衛星開発は点ではなく面の技術ですし「究極のものづくり教育」だとみています。

高専と衛星開発は非常に相性が良いです。一般的に衛星開発は2~3年かかります。高専は本科5年、専攻科まで含めると7年ありますから長期間開発に携われます。大学とは違い、教員と学生と一緒になって研究できることも強みです。教員が学生の心に火をつけると、信じがたい力を発揮しますので、新しいものが生まれます。

実際、KOSEN衛星も世界初の技術実証が盛り込まれています。衛星開発は継続が大事です。ノウハウの蓄積が次の衛星開発につながるからです。KOSEN-1に始まり、KOSEN-2R、KOSEN-3とつながっていますが、さらにKOSEN-4、5へとつなぎ、社会や地域課題の解決に結び付けていきたいです。

学生にはもっと衛星開発に興味を持ってほしいですし、先生にも関わってほしいです。衛星開発は負荷も大きいですが本物の技術実証プロジェクトです。世界初を目指す挑戦ができますし研究論文につながります。学生の卒業研究や特別研究の題材になります。

今は宇宙の裾野が広がっていますが、宇宙を知るだけで終わらせずに衛星開発に飛び込む学生をもっと増やしたいですね。本物の技術実証をする場で、自分の専門を磨き、世界初に挑む面白さを感じてほしいと思います。

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