2020.08.31 【ソリューションプロバイダ特集】富士通ラーニングメディア 青山昌裕社長

オンラインと集合研修でハイブリッド対応進める

 デジタルトランスフォーメーション(DX)の流れが加速し、人材育成投資は堅調に推移してきた。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため3-6月中旬まで集合研修を中止した影響は大きかったが、6月以降はオンラインでの研修を中心に戻ってきている。

 当社ではコロナ禍以前から動画コンテンツを拡充してきた。多くの企業がテレワークにシフトする中、オンラインでの研修ニーズも増加。現在、約670の集合研修のうち7割はオンライン対応している。

 これまでなかなか受け入れられなかったオンライン研修だが、コロナ禍を機に多くの企業が利用してその利点に気付いてもらえた。新入社員ら若い世代はオンライン研修との親和性が高く、受講者からの反響も良い。

 今後は顧客のニーズに合わせ、集合・オンラインを選べるようハイブリッド対応をさらに進める。集合研修では、検温や消毒、ソーシャルディスタンスなど感染予防対策を徹底し、安心して研修に参加できる環境づくりにも力を入れる。

 下期以降はDX関連の研修を中心に新たな講座を開設する。「DXグランドデザイン策定」講座など、実践的なリーダー向け研修は増えている。これは昨年5月のFUJITSUユニバーシティとの統合効果。階層別のリーダーシップ研修のラインアップを充実し、DXを推進しながら変革できる人材育成に貢献する。

 テレワークを継続する企業が多い中、マニュアル作成・共有プラットフォーム「KnowledgeSh@re(ナレッジシェア)」の引き合いも強い。ナレッジシェアは現場の業務ノウハウを手軽にマニュアル化し、共有できるSaaS型サービス。テレワークで業務手順など同僚に聞けない状況になったことで、マニュアル作成の需要が増えている。

 新型コロナで学習形態が変化する中、講師の役割も変わってきている。これまで以上に一人一人をサポートし、成長を支援する存在であるべきだ。オンラインでも集合研修でも、受講者の学習支援に最適なツールを講師側にも提供し、一人一人の成長を支えていく。