2021.07.02 【家電総合特集】シャープ沖津雅浩専務執行役員スマートライフグループ長兼Smart Appliances & Solutions事業本部長

プラズマクラスター搭載商品
アフターコロナの最重点テーマ

 2020年度下期は「健康・清潔」意識と継続する「巣ごもり生活」に対応した家電製品へのニーズの高まりから、白物家電の販売は国内を中心に好調に推移した。

 当社の20年度は、国内での空気清浄機を中心とした「プラズマクラスター」関連商品が大幅に伸び、冷蔵庫や洗濯機、水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」など調理家電が伸長した。中でも、AIoT対応商品の販売が加速した。

 21年度は、ニューノーマル(新しい日常)商品の開発やプロモーション活動の強化を進めていく。特に、空気清浄機やエアコンなどのプラズマクラスター搭載商品を「アフターコロナ」時代の最重点テーマとして取り組む。

 国内では、プラズマクラスター搭載空気清浄機の販売が20年度は急増し、家庭向けはもちろん、法人向けの需要拡大が続いた。業界伸長を上回る金額伸長を達成した。空気清浄機と同等性能を搭載した唯一のエアコン「Airest(エアレスト)」も、販売が大変好調だった。プラズマクラスター搭載商品は、21年度には世界累計販売台数1億台を達成する見込みだ。「プラズマクラスター技術」は、今後も新たなウイルスに対する共同検証を研究機関と進め、技術への信頼性をさらに強める。

 このほか、ヘルシオ ホットクックは、20年度(実売ベース)で前年同期比1.3倍の販売台数となり、今年6月には累計販売台数が40万台に達する見込みだ。

 ウォーターオーブン「ヘルシオ」については、昨年度新製品の販売動向が前年同期比で約1.3倍となった。6月24日の新製品発売に合わせ、食サービスと連携したダウンロードメニューを拡充、ハードだけでなくソフト面での取り組みを強める。料理キット宅配サービス「ヘルシオデリ」や、オンライン料理教室も、人気が高い。

 冷蔵庫は、奥行630ミリメートルの薄型設計でインテリアに調和しやすい「メタルドア」と「木目調ハンドル」を採用した新製品を3月から順次投入し、ヒットしている。

 当社は、環境変化が厳しい中、新たなサービスやソリューションの展開、健康、医療、介護分野をはじめ新規事業への取り組みを加速する。

 白物分野で注力しているAIoT家電は、クラウド上の人工知能(AI)につながることで購入後も機能が進化し、外部サービスと連携できるAIoT家電商品群の販売拡大とWi-Fi接続率の向上を通じ、新たな価値・ソリューションを提供していく。

 海外では、20年度ASEAN市場がコロナ禍の影響で厳しい中、付加価値商品へのシフトを図り金額シェアを高めた。米国では、AIoTを活用した「スマートキッチン」の実現を目指し、ビルトインヘルシオ、IHコンロなどの新規カテゴリーの充実を図った。

 21年度は日本に続き、米国やASEANでAIoT化による付加価値商品を拡充し、海外事業の売り上げ構成比を高めていく。