2021.12.01 イビデンオアシス オンライン在宅実習肢体不自由・病弱な生徒の就労拡大へ

オンラインで業務実習

オリジナルグッズオリジナルグッズ

 【岐阜】肢体不自由・病弱な生徒の在宅での就労機会拡大につなげようと、イビデンオアシス(岐阜県大垣市)は11月24日から30日まで、県内の生徒にオンラインで在宅業務を実習した。岐阜県教育委員会が在宅勤務モデル構築事業として企業と連携したのは、今回が初めて。

 イビデンオアシスは、イビデンの特例子会社。障がい者の能力開発・職業的自立を支援するために2018年10月に設立された。9月末現在、地元の特別支援学校卒業生を中心に19人の障がい者を採用している。「働きたい!応援団ぎふ」登録企業として実習生を積極的に受け入れている。

 同社の主な事業内容と成長フローは①建物のフロアメンテナンス業務を通じて1週間働く体力づくりやあいさつ、会社ルールを習得②郵便計器や仕様書添付、治具整備などの事務アシスト業務で、得意分野・能力を発見し、新規業務に挑戦③農園での水耕栽培・株植え、菓子工場での袋・箱詰めを実施しながら、外部の人とコミュニケーションする力をつける④電子文書化代行サービスなどの専門業務でキャリアを積み、活躍の場を広げる―など。

 今回の実習では、IoT機器を活用した在宅実習プログラムを提供。働く意欲が旺盛で肢体不自由・病弱な県立特別支援学校の2年生が業務を体験した。30日は、川畑海斗さんがグラフを作成などのワークをしながら、管理指標となる出来高や原単位(一定量の作業で使う金額・時間)を学んだ。

 岐阜県教育委員会特別支援教育課の永田俊介指導主事は「実務に近い実習。卒業後は施設入所だけではなく、在宅を含め企業に勤めるためのモデルケースになれば」と期待していた。

 同社では現在、スタッフの手書きイラスト入りのクリアファイルやネックストラップ、黒ニンニクなどのオリジナルグッズを制作、社内事業所で販売している。将来的にはネットなどに販路を広げる。

 目標を明確に職域・業務を拡大し、得意分野・能力に気付くための道筋をつくるための支援を心掛けているという箕浦隆行社長。「在宅勤務で可能性も広がる。生涯働ける技能を身につけてほしい。ほかの企業と積極的にコラボしていきたい」と意気込む。