2021.12.17 電子情報産業の世界生産額21年は11%増22年も過去最高更新見込む

会見するJEITAの綱川会長(17日)

 電子情報技術産業協会(JEITA)は17日、電子情報産業の世界生産見通しを発表し、2021年の世界生産額が前年比11%増と大きく伸び、3兆3602億ドルと過去最高を更新する見込みとした。脱炭素化に向けたデジタル活用の追い風で、22年もプラス成長が続く見通し。

 ITリモートなどのデジタル化の進展や巣ごもり需要でテレビやスマートフォン、サーバーなどが高成長し、テレビの大画面化、データセンターの増強などを背景に電子部品デバイスの伸長、データ活用の高度化によるソリューションサービスの増加が寄与した。

 22年は新型コロナの感染再拡大の懸念から不透明感は残るが、カーボンニュートラルの観点からITリモートや5Gなどデジタルインフラ整備への投資が進み、ソリューションサービスや通信機器の需要拡大と伸長が期待できることから、世界生産額は同5%増の3兆5366億ドルと過去最高を更新すると見ている。

 21年の日系企業の世界生産額(海外生産分を含む)は同8%増の37兆3194億円を見込む。国内外での巣ごもり需要を背景にテレビやプリンター、医用電子機器などが好調に推移し、電子部品や半導体、無線通信機器もデジタル化の進展で輸出増になると見ており、国内生産額も同11%増の10兆9322億円で17年以来4年ぶりのプラスに転じる見込み。

 会見した綱川智会長(東芝代表執行役社長兼CEO)は「22年は自動車の電装化や通信容量の増大、5G、データセンターへの投資拡大が見込まれる。半導体も物不足は徐々に解消するとみている」と話した。
(20日付電波新聞、電波新聞デジタルで詳報します。)