2022.01.13 【放送/機器総合特集】放送機器各社 22年の戦略池上通信機 田部伸一営業本部副本部長
田部営業本部副本部長
昨年は長引くコロナ禍の中でも、スタジオサブシステムや中継車など、放送設備の更新需要の受注が堅調に推移した。
カメラシステムに関しては、2/3型グローバルシャッター対応CMOSセンサーを搭載した4K/HDポータブルカメラ「UHK-X700」(昨年4月発売)と4K/HDスタジオカメラ「UHK-X750」(2月発売予定)が好評で、引き合いも多数頂いている。UHK-X700は昨年春先から納入が順調に進み、仙台放送で昨年8月より稼働している。
SNG中継車への更新需要も順調。TBS系列(JNN)の共同発注の納入が2023年まで続く予定だ。また、中国放送(RCC)に4K/HDR対応の中型中継車を納入。中型サイズで大型サイズ相当の運用性を実現すると好評を得ている。
映像システムトータルで提供
当社は車両設計に特化した専門部門を持ち、お客さまの運用に合わせ車両設計から映像システムをトータルで提供できることが強みだ。昨年は大型中継車の製作にも注力し、札幌テレビ放送をはじめトータル7台の納入が決まっている。
一方で、半導体(電子部品)不足などの影響を受けているが、今後さらに長引くことが想定されるため、先を見越した形で必要な部品の手配を早めることや使用する部品の見直しを行い、入手しやすい部品への置き換えを順次進めている。
放送局以外の市場にも注力していく。今まで大型/中型スイッチャーを展開しているが、小型スイッチャーも開発。ローカル局のサブシステムへの活用や学校関係など、比較的小規模な映像システムに対しての提案ツールとして、今年から納入の開始を予定している。公営競技市場への映像設備の需要にも注力していきたい。
IPシステムによるリモートプロダクションへの取り組みも継続しており、さまざまな実証実験に参加している。また、省人化の提案としてロボットアームを使用したカメラシステム「R2システム」の提案を行っている。非常に好評を得ており、イベントやCM撮影などで使われている。今年はさらに同システムを進化させて提案を行っていく。
昨年、創立75周年を機に本社のリノベーションを行い、外観、内装共にオフィスを一新した。イベントなどにも活用できるスペースを新設し、今年はこうしたスペースを積極的に活用しながら、PR活動を進めていく方針だ。
SNSを活用したマーケティングも積極的に行っている。新たな試みとして、YouTubeのサブチャンネル「イケイケちゃんねる」を開設し、製品情報を含め、会社周辺エリアなどの情報を社員目線で発信している。ほかにも、コミュニケーションツールとして、Twitterなども活用しており、今年はさらに強化していきたい。
技術で要望に寄り添った提案
CS(顧客満足度)の向上に努めてきた当社は、以前からサービス終了品でも可能な限り対応するなどといったサービスを提供しており、今後さらにアフターサービスを充実させていく。
今年もこれまでの技術やノウハウを生かし、お客さまの要望に寄り添った提案や運用形態に合わせた最適なシステムソリューションを提案していく。