2022.08.30 【ソリューションプロバイダー特集】MODE 上田 学CEOIoTに特化し現場業務を支援

 2014年に米国で創業し、IoTプラットフォームに特化したサービスを提供する会社としてシリコンバレーと東京の2拠点で事業を展開している。

 開業当初、IoTはスマート家電で用いられることが多かったが、現在は企業がデータを活用して業務を効率化することに焦点が当たっている。当社の事業もスマート家電のシステム構築から、企業のデータ活用のためのソリューション構築に変化してきた。

 20年の新型コロナウイルス感染拡大で一時的に投資が抑えられたが、テレワークの普及で出社せずに仕事ができる環境が進んだことは、データを活用するビジネスと相性が合っている。

 特徴的なのは、昨年あたりから建設業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進んだことだ。土木業界からの引き合いが急増し、第1四半期の建設DX案件は昨年の2倍以上の活況だ。

 今年2月には、当社が持つ既存のIoT基盤システムと部品を組み合わせた、クラウド型IoT基盤サービス「MODE BizStack(ビズスタック)」を発表した。データの収集から活用までトータルでIoTサービスを提供できるのがユニークなところ。

 従来は企業のデータを可視化して終わるケースが多かったが、データを使って現場業務を改善しビジネスの成果につなげるパッケージだ。8月には機能強化し、ウェブカメラとネットワーク機器を設置するだけで導入できる「画像データ収集パッケージ」も始めた。画像はクラウド上に自動集約され、離れた場所からデータを確認できるようにした。月額15万円から使え、建設や製造現場の予兆検知や業務解析に役立ててもらえている。

 カメラとセンサーの両方からデータを同時に取得することで、現場で何が起きたのか把握できる。インシデント発生時の解析などデータ活用の拡張性が高く、裾野は広がっている。

 配送トラックや営業車両の安全運転支援にも拡大していくのが、今年後半の戦略だ。製造業の現場でもIoTの強みを生かしていきたい。