2022.08.30 【ソリューションプロバイダー特集】NECネッツエスアイ 牛島 祐之社長兼CEODX×次世代ネットワーク開拓
デジタルトランスフォーメーション(DX)に対する企業の投資意欲は引き続き底堅い。しかし、新型コロナウイルスの長期化や不安定な国際情勢の中、原材料や燃料価格の高騰に加えて、急激な円安で海外からの調達コストも上昇している。2023年3月期第1四半期(4~6月期)には、さまざまな外部要因を踏まえてコントロールする対応に一生懸命に取り組んできた。
想定よりも厳しい環境だったが、成長するための投資は継続してアクセルを踏んでいる。DXソリューションの業績は数字上は鈍ったように見えるが、基調としては悪くない。一部の顧客でPBX(電話交換機)などの既存製品更新の先送りが見られたが、一方でクラウドサービスを中心としたDX事業は着実に成長している。今後もDX市場は、広がっていくだろう。
ネットワークソリューションでは、高速通信規格5Gをエリア限定で利用できる「ローカル5G」で特色を出そうとやってきた。実証段階のプロジェクトが多いが、着実に受注実績が増えている。ローカル5G事業の拡大に向けた布石を着々と打ち、4月には韓国通信機器メーカーHFRへの出資を発表した。
さらに、デジタル技術の社会実装を進める社会・環境ソリューションでは、自社で実践してきた働き方改革の経験や顧客との共創を通じて蓄積したノウハウを生かし、自治体への展開にも力を入れている。政府がデジタル技術を活用して暮らしやすい街づくりを進める中、支援の実績が積み上がりつつある。
25年3月期までの3カ年の中期経営計画「Shift up 2024」を策定した。これを機に、DXに次世代通信技術を融合した成長分野「DX×次世代ネットワーク」の開拓を加速。顧客の期待に応えるビジネスから転換し、顧客が気付いていないところまで踏み込んで手伝うというコンサルティング重視のビジネスに軸足を置く。コンサル力をしっかりと高め、顧客のために伴走したい。継続的に収益を生み出す「リカーリング」型ビジネスを中計期間内に成長させたい。