2022.09.14 【INTERMEASURE特集】長野計器 光学式圧力センサーを展示 光学式溶融樹脂圧力・温度センサー「KF10」、引張強度4.5倍

光学式溶融樹脂圧力・温度センサー「KF10」

 長野計器は、新たなコア技術として光学式圧力センサーを出展する。従来製品の使用温度範囲を大幅に拡大し、極限環境に対応できる

 光学式溶融樹脂圧力・温度センサー「KF10」は圧力を検知するダイアフラム(極薄膜)に耐久性に優れたサファイアを採用。ステンレスなどの金属に比べて引張強度は4.5倍、耐摩耗性は10倍に向上した。

 ダイアフラムに圧力をかけると、サファイア素子の中に設けられた隙間の距離が変化する。白色光が反射して戻ってくる波長の変化量を対象物表面からの光の距離に生じる差から計測する技術だ。

 光学式圧力センサーは幅広い温度範囲に適応できるのが特徴。KF10は、加熱溶融させた樹脂を成形する際の圧力計測を主な用途とし、400度までの超高温環境に対応する。温度影響を受けにくい特性を生かし、マイナス253度まで冷やす液化水素の貯蔵タンク内の圧力計測などへの適用を目指し、極低温計測用の光学式圧力センサーを開発中だ。

 耐ノイズ性能にも優れる。地下数百~数千メートルに及ぶ掘削井など、センサーからの距離が遠く、地中のノイズ源の影響を大きく受ける測定場面でも外乱に対する強みを発揮する。

 半導体産業用ではデジタル出力ニーズに応えた製品を出品する。

 製造装置でのプロセス切り替え時の排気調整やシリンダーキャビネット内の圧力監視に用いる微差圧計に産業用インターフェース規格「IO-Link」対応のデジタル微差圧計「EK30」を投入。計測データの送信やマスターからのパラメーター設定などの相互通信で集中管理が可能に。年内にデジタル表示部の付いた機種もラインアップする予定だ。

 半導体分野では、200度までの高温計測が可能な圧力センサー「ZT17」も新製品として展示する。

 そのほか、安全点検の巡回監視時の省人化に寄与するワイヤレスセンシングの新技術として角度センサーを用いた製品を紹介する。