2022.10.25 【電子レンジ特集】時短調理・自動調理機能が充実
簡単(時短)でおいしく調理できるオーブンレンジへの関心が高まっている
電子レンジ/オーブンレンジは、内食化の浸透で安定した需要が見込める。共働き世帯の増加やコロナ禍で在宅時間が伸びたことにより、家事の省力化へのニーズが高まり、調理では手間なく簡単、かつおいしい料理への関心は高まっている。ユーザーニーズに応える製品開発に力が入る。
市場では、家庭での手作り料理を簡単でおいしく食べたいというニーズが強まり、オーブンレンジでは時短調理・自動調理機能の充実やIoT機能との連携など、製品的な進化のスピードは速い。
象印マホービンが昨年、「料理に関する意識調査」(21年7月)を実施した中で、「料理をする際に理想とすること」について、最も多かった答えが「料理のおいしさ」(80.3%/n=1095)で、ほかの回答より抜き出る結果となった。次いで「栄養・バランス」(55.9%)、「簡単に作りたい」(54.9%)が上位三つの回答になったという。突き詰めると、「おいしく・ヘルシーな料理を簡単に作りたい」ということになる。
メーカー各社では、ユーザーの要求に寄り添った機能開発に力を入れ、特にIoT機能搭載で多彩なメニューのダウンロードや、さまざまなサービスとつなげ、よりユーザー満足度や利便性を高める開発が活発だ。
食材を下準備して用意するだけで、後はボタンを押すだけの簡単調理機能など、おいしく、簡単に作れる調理機能の実現で、ユーザーの使い勝手は高まっている。
近年では、冷凍食品のまとめ買いも多く、冷凍の食材を解凍なしでそのまま調理するなど、冷凍食品を上手に解凍、調理できる機能開発も強まっている。
また、IoT対応レンジでは、食材の宅配サービスとの連携や新しいメニューの配信など、ソフト面での利便性向上で、買った後からでも機能が進化していく。これらによって食生活がより豊かなものになり、ユーザーの使用満足度が高まることから、最新の調理機能の進化についてしっかり訴求できれば、買い替え需要の喚起にもつながる。
毎日の食事作りで献立を考えることが負担になっている人は多い。象印マホービンの調査では、夕食作りで大変なこと、苦手と思うことに対して、「献立を考えること」(57.0%)、「料理の下ごしらえ」(45.6%)、「洗い物・片付け」(34.2%)が上位三つの回答となった。
献立を決めるヒントとしてスマートフォンを活用する人も多く、IoT機能搭載のレンジでは、アプリから続々充実する新メニューをダウンロードできるため、献立の悩みも解消する。
こうしたさまざまな便利機能や進化した点を理解してもらうべく、オンラインを活用したレンジ教室開催など、各社は工夫を凝らして需要喚起に力を入れ、秋商戦を盛り上げていく。
パナソニックの主力製品「ビストロ」NE-UBS10A
多彩な調理メニューに対応
パナソニックは、〝日常から晴れの日の料理まで〟ユーザーの幅広い調理メニューの要望に応えられる、IoT対応のスチームオーブンレンジ「ビストロ」NE-UBS10A(庫内容量30リットル)の訴求に力を入れている。
独自の「ヒートグリル皿」と新設計のアンテナ制御により、予熱なしの高火力で麺やご飯の蒸し焼きメニューを一度に4人分まで、むらを抑えて一気に調理できるなど、料理のレパートリーが広がっている。
■より高火力となった「グリル皿調理」
「グリル皿調理」は、裏面の発熱体により最高230度まで上昇する、独自のヒートグリル皿を活用し、大火力ヒーターやスチームとの掛け合わせで食材を加熱し、焼きもの・揚げもの・蒸しものからトーストまで調理できる。
最新モデルNE-UBS10Aでは、新設計のアンテナ制御でヒートグリル皿の電波効率を従来モデル(19年発売NE-BS2700)比約1.6倍にアップした。これにより、これまで難しかった下段でも、予熱なしの高火力で調理できる。下段を使うため庫内を広く使え、ボリュームある食材をスチームと掛け合わせて一気に蒸し焼きができる。冷凍食品も解凍なしで調理できる。
冷凍うどんで「焼きうどん」を作る場合、グリル皿にカットした豚肉・野菜を並べ、解凍せずに冷凍うどん(4人前)をのせるだけで、焼きうどんを簡単においしく、まとめて作れる。人気の高い冷凍ギョーザも、解凍の手間なく、グリル皿に並べるだけで、しっかり焦げ目をつけて焼き上げる。
■好評の「ワンボウル調理」にエスニック料理を追加
「ワンボウル調理」は、高精細・64眼スピードセンサーで食材の分量を高精度に判定し、自動で火加減調整しながら加熱できる。
1人分のランチから4人分の夕食まで、耐熱ボウルに材料を入れて、後は任せきりでおいしく料理が仕上がる。
さらにNE-UBS10Aでは、ユーザーのニーズが強かったエスニックメニューを新たに加え、簡単な手順でおいしく作れる。
レシピに詳しくなく、家庭では作る機会が少ないものの、人気がある鶏肉のバジル炒め(タイ風)、牛肉と豆の煮込み(トルコ風)などエスニック料理を手軽に作れる。
■IoT対応で後から増やせるメニューも充実
IoT対応により、忙しい日々でもより手軽で豊かな食事づくりをサポートする。「キッチンポケット」アプリと連携し、購入後も日々の献立に役立つ新しい自動メニューが増やせる。
このほか、昨今の清潔性に対する高い関心を踏まえ、食器や弁当箱などの除菌ができる食器清潔コースも搭載している。