2022.11.24 5G関連部品 製品動向

回路部品 超小型チップ部品の搭載が増える

 5Gスマホでは高密度実装化に伴い、内蔵回路部品は超小型チップ部品の搭載率が一段と上昇している。

 最近のスマホはディスプレーの大画面化で大型化しているが、高機能化と内蔵バッテリー大型化も進んでいるため、プリント配線板はより微細化されている。チップ部品には一層の小型化が要求される。

 プリント配線板は、現在、エニーレイヤー工法のビルドアップ多層板が使用されているが、ローコスト機種から高機能機種まで基板の層数と微細化の仕様は異なる。その中で、高機能機種では、10層以上、L/S=50マイクロメートル程度まで微細化している。

 積層セラミックコンデンサー(MLCC)は、高級機では端末1台に1000個以上が搭載され、チップ抵抗器も400個内外が実装される。これらは静電容量や抵抗値、定格電力、定格電圧などにより、各種サイズが混在している。

 高密度実装化を図るため、小型で大容量のMLCC、小型で高耐圧化するチップ抵抗器の使用が増加し、0603/0402サイズなどの超小型チップの搭載比率が上昇している。

 電源回路の省スペース化に向けパワーインダクターの小型化も進展。フェライト系から大電流対応で有利なメタル系の新製品開発が、巻線、薄膜、積層の加工工法で活発化している。

接続部品 低背・狭ピッチ・省スペースの製品開発活発

 接続部品は、5Gスマホ向けに、小型薄型化や高速伝送、急速充電、使い勝手などを追求した製品開発が活発。

 スマホ内部接続コネクターは、低背・狭ピッチ・省スペースの基板対基板用やFPC接続用コネクターの開発競争に拍車がかかり、嵌合(かんごう)高さ0.5ミリメートルの0.35/0.3ミリピッチ基板対基板コネクター、シールド付きFPCコネクターなどのラインアップ拡充が進む。FPC接続用は、0.25/0.2ミリピッチ品、千鳥形状の0.175ミリピッチ品などが開発されている。

 5Gスマホ向けに、優れた高周波特性かつ小型のマルチRF対応基板対基板コネクターなども開発されている。ミリ波帯を視野に、32Gbps対応小型同軸ケーブルコネクターなどの開発も進む。電源用は、スマホバッテリーの大型化やパワーマネジメントの高度化に向け、電流容量15A対応電源用基板対基板コネクターなどが開発されている。