2023.01.11 【電子部品総合特集】2022年ショーハイライト 展示会が本格的に始動
アルプスアルパインのブース
エレクトロニクス関連の展示会は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で2020年から21年にかけて開催中止が相次いだが、22年は多くの展示会がリアル展として復活し、本格的に始動した。22年後半以降は来場者数も増加し、活気が戻りつつある。22年の主要な電子部品関連の展示会をプレーバックする。23年も、展示会開催のさらなる活性化が期待される。
CEATEC
日本最大級のCPS(サイバーフィジカルシステム)/IoT総合展「CEATEC2022」(主催=電子情報技術産業協会〈JEITA〉)が10月18~21日の4日間、千葉市美浜区の幕張メッセで開かれた。
CEATECは3年ぶりのリアル開催かつ初のハイブリッド形式での開催となった。総合電機メーカーや電子部品メーカー、IT関連企業、スタートアップなどが集結し、出展数は562社・団体(うちオンラインのみ出展が21社・団体)。新規出展者が266社・団体を占めた。
電子部品メーカーは「キーテクノロジーエリア」を中心に多くの企業が出展。Society5.0を実現する最新の電子部品・モジュール、応用ソリューションを、用途例を含め広く紹介した。
アプリケーション別では、次世代自動車や産業機器、社会インフラ関連などに重点が置かれ、CASEを支える車載用電子部品、5G/ミリ波関連デバイス、スマートファクトリー向けソリューション、スマート社会を支える省エネデバイス、IoTソリューション、非接触デバイスなどがアピールされた。
TECHNO-FRONTIER2022
エレクトロニクス・メカトロニクス分野の要素技術と製品設計を支援する専門技術展「TECHNO-FRONTIER(テクノフロンティア)2022」(主催=日本能率協会)が7月20~22日の3日間、東京ビッグサイトで開催された。
同時開催展を合わせて計301社が出展した。自動運転/xEVや5G通信、スマートファクトリー、再生可能エネルギーといった成長領域を見据え、電源、ノイズ対策、モーター、ロボットソリューションなどの最新技術がそろった。
電子部品メーカー各社からは、自動車のxEV化に向けたコンデンサーやインダクターなどの活発な出品が行われ、125度4000時間保証の導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサーや、OBC(オンボードチャージャー)向けLLCトランスなどの最新製品が出品された。5G/ミリ波などの高周波に対応するノイズ対策用デバイスの最新技術も広く紹介された。
リアル展終了後の7月25~29日には「オンライン展」も実施した。
電子機器トータルソリューション展2022
電子回路基板の設計・材料から実装技術、最終製品までを網羅する総合展示会「電子機器トータルソリューション展2022」が6月15~17日の3日間、東京ビッグサイトで開催された。
プリント配線板や関連材料、実装機メーカーなど計313社(845小間)が出展。最新の基板技術や実装技術が披露された。
同展示会は、電子回路技術の展示会「JPCA Show(第51回国際電子回路産業展)」(主催=JPCA)、電子部品実装技術の展示会「JISSO PROTEC(第23回実装プロセステクノロジー展)」(主催=JERA)をはじめ、「マイクロエレクトロニクスショー」「JEP/TEP Show」など計12の専門展で構成される複合展示会。開催テーマは「一歩先の未来へ 来て 見て 触れて そして 語ろう!」。
プリント配線板メーカーなどが出展したJPCA Showではパワー系基板の最新ラインアップや、高精細パターン形成が可能な微細回路技術、最新のFPC技術などが広く展示された。
人とくるまのテクノロジー展 YOKOHAMA
自動車関連技術の専門展示会「人とくるまのテクノロジー展2022 YOKOHAMA」(主催=自動車技術会)が5月25~27日の3日間、横浜市西区のパシフィコ横浜で3年ぶりにリアル開催された。
完成車メーカーやティア1、部品・材料・計測器メーカーなど総勢484社・団体(1055小間)が出展。自動車技術に関わる最新の製品・ソリューションを訴求した。
同展示会は20年と21年に2年連続で中止(21年はオンライン展のみ開催)となり、22年は初めて、パシフィコ横浜でのリアル開催とオンライン展のハイブリッド形式で催された(オンラインのみの出展は27社)。
「熱い思いで切り拓こう! カーボンニュートラルへの道」を開催テーマに、最新の電動車両やカーボンニュートラル関連技術が集結。最新のBEVプラットフォームやフューエルセルシステム、eAxleなどが紹介された。
電子部品メーカーも多数出展し、路車協調システムや自動車用タイヤ内蔵RFIDタグ、省エネ用センサーなどが注目を集めた。
オートモーティブワールド
自動車業界における最新技術を紹介する専門展示会「オートモーティブワールド2022〝クルマの先端技術展〟(第14回)」(主催=RX Japan)が1月19~21日の3日間、東京ビッグサイトで開催された。
オートモーティブワールドは「国際カーエレクトロニクス技術展(カーエレJAPAN)」「EV・HV・FCV技術展(EV JAPAN)」「自動運転 EXPO」など計七つの専門展で構成される複合展示会。
車載電装機器メーカーや電子部品・素材メーカー、製造装置・計測器メーカーなどが多数出展し、CASEやMaaS、車体の軽量化などをテーマに、最新の製品・技術を披露した。
電子部品メーカーは、カーエレJAPANを中心にブースを構え、ADAS/自動運転技術の高度化や次世代xEVの実現に寄与するパワートレイン技術、高速伝送技術、高密度実装技術などを、デモも交えながら紹介した。
併せて、「ロボデックス(ロボット開発・活用展)」や「ウェアラブル EXPO」なども実施された。
EdgeTech+2022
組み込みシステムやIoTの総合展示会「EdgeTech+2022(旧ET&IoT)」(主催=組込みシステム技術協会〈JASA〉)が11月16~18日の3日間、横浜市西区のパシフィコ横浜で開催された。計303社/団体(754小間)が出展した。
同展示会は22年に名称をリニューアル。社会課題・インフラを支える「エッジテクノロジー」をベースに、「応用産業分野への実装」、さらに、ソフトウエアファースト、リーン/アジャイル、クラウドネイティブなどの「事業変革へのキーワード」の三つのレイヤーを満たす新コンセプトのイベントとして実施された。
会場では、半導体メーカーや半導体商社をはじめ、さまざまな出展社が最新の組み込みシステムや応用ソリューション、IoTプラットフォーム、周辺技術などを広く披露。
電子部品メーカーからは、IoTエッジデバイス用電源として最適な小形リチウムイオン電池やBLE通信応用デバイスなどが紹介された。
同展示会のオンライン展は、1月10日から2月10日まで実施されている。
Medtec Japan
医療機器の設計・製造に関する専門展示会「Medtec Japan(メドテックジャパン)」が4月20~22日の3日間、東京ビッグサイトで開催された。
Medtec Japanは、20年は新型コロナ感染拡大の余波で中止となったが、21年に2年ぶりに開催され、22年で2年連続の開催。主催はインフォーマ マーケッツ ジャパン。国内外からメーカーや商社、大学、自治体など292社・団体が出展し、最新の医療関連ソリューションをアピールした。
会場には「プラスチック」「金属・工具」「測定・検査」「ロボット・メカトロ」など11エリアが設置され、最新の医療・介護関連システムや医療機器向けデバイス・素材、検査・分析装置、医療系ロボットなどが訴求された。低侵襲医療に貢献するデバイス・材料や、コロナ禍に対応した非接触技術の紹介なども目立った。
電子部品メーカーからは、新型コロナウイルス不活性化に効果を発揮する265ナノメートル波長を活用した除菌用UVC-LEDアセンブリーや、光学式タッチレスセンサーをはじめとする医療関連向けセンサーなどが提案された。
electronica
欧州最大規模の半導体・電子部品見本市「electronica(エレクトロニカ)2022」が11月15~18日の4日間、ドイツ・ミュンヘンの「メッセ・ミュンヘン」で開催された。
同展示会は通常2年おきに開かれるが、前回の20年はオンラインのみの実施だったため、22年は4年ぶりのリアル開催となった。
出展社総数は2144社。欧州における一大産業である自動車分野を中心に、最先端の半導体・電子部品技術が一堂にそろった。
これまで同様に、日本の電子部品メーカーも数多くの企業が出展した。TDK、村田製作所、ロームをはじめ、日本を代表する部品企業がブースを構え、最新の製品・技術やソリューションをアピールした。
アプリケーション別では、自動運転やxEVなどのモビリティー関連や、Beyond 5G/6G、産業機器/ロボット、メディカル/ヘルスケア、再生可能エネルギー、AR/VR、航空・宇宙関連、鉄道関連、IoTなどの分野に向けた製品・ソリューションがデモを交えて紹介され、ドイツ国外からの来訪者も含め、多くの来場者でにぎわった。