Zホールディングス（ZHD）は2日、完全子会社のLINEとヤフーの3社で合併する方針を決めたと発表した。2023年度中をめどに実施する。合併方式などの詳細は今後詰める。合併を機に、変化の激しいインターネット業界を踏まえてグループ経営の意思決定を迅速化するとともに、経営効率の向上も図りたい考えだ。

　ヤフーを傘下に持つZHDは、2021年3月にLINEとの経営統合を発表。「世界をリードするAIテックカンパニーを目指す」という目標を掲げた新生ZHDは、シナジー（相乗効果）の拡大を最優先に事業の選択と集中を進めてきた。

　3社の合併を機に、「プロダクトファースト」の組織体制を整えてサービスの付加価値を高め、持続的な利益成長を狙う。さらに重複する機能やサービスの統廃合を進めて、コストの削減につなげたい考えだ。

　これまで利益面をけん引してきた広告事業を取り巻く市場環境は、2022年度後半に入り悪化。広告商品としての競争力も低下しつつあるという。同日開いたオンライン形式の説明会でZHDの川邊健太郎社長は厳しい経営環境を踏まえ、「大胆かつ抜本的な打ち手が必要。中長期の投資原資を確保し、この状況を打開したい」と力を込めた。

　合併方針と併せて、出澤剛代表取締役が社長に4月1日付で昇格する人事も発表した。川邊社長は代表権のある会長に就く。

　合併の狙いについて出澤代表取締役は、「3社が真のワンチームとなって、圧倒的なスピード感を持って、良いプロダクトを創出する力と厳しい環境にも負けない収益力を向上させることだ」と強調した。