2023.03.01 【防災・備災/減災特集】坂口電熱 非常用発電機の性能を確認 試験装置をレンタル
高圧乾式負荷試験装置
産業用ヒーターメーカーの坂口電熱は、今年で創業100年を迎えた。主力の産業用ヒーターを使った防災向け事業として、緊急時の非常用電源に用いる発電機の性能を試験する装置をレンタルで提供している。
非常用発電機は消防法に基づく定期点検が義務付けられている。病院、データセンターなどライフラインやインフラの施設に設置された非常用発電機の検査時、施設への電力供給を止めずに試験する際のダミー負荷となるのが同社の「高圧乾式負荷試験装置」だ。一時的に非常用発電機の系統を切り離し、装置と発電機をつなげて行う模擬負荷試験に使用。定期点検だけでなく発電設備の新設時の検査にも利用される。
制御ユニット(制御盤)とヒーターの入った負荷ユニットで構成。点検で非常用発電機を稼働した際に生じた電気をヒーターが受け皿となる仕組みだ。
発生した熱をファンで筐体(きょうたい)の外に排出する乾式タイプ。水冷の湿式タイプに対して、水漏れによる感電や漏電のリスクがない。湿式より小型化できるため、移動や設置が容易でトラックで全国に搬送できる。筐体は全天候型で気密が確保され、天候にかかわらず試験できる。
制御盤はタッチパネル式で使い勝手に配慮した。負荷開閉器の投入と開放のタイミングをソフトウエアで調整し、負荷変動を抑えることができる独自の機構を備える。
負荷電圧や負荷容量はユーザーの要望に応じて増強・増設することも可能だ。レンタル期間も1~2日から数カ月まで点検や性能試験の需要に合わせて対応する。
負荷試験装置のレンタル事業は2015年に開始した。長年にわたって培ったヒーター製品に対する市場の信頼感もあり、口コミや自社サイトからの引き合いも多い。
水処理場や発電所の定期点検での活用が増えていることからスタッフを増員し、レンタル事業の認知度をさらに高めて強化する方針だ。