2023.05.15 生成AIの活用、社内外で促進 日立が新組織設立、コンサルサービスも

 日立製作所は15日、インターネット上の膨大なデータを学習して画像や文章などを自動的に作り出す「生成AI(人工知能)」の有効活用を社内外で促すため、新組織を立ち上げたと発表した。AIやデータ分析などに精通した社内の専門人材を集結させ、生成AIのリスクに配慮した多様な活用事例の創出を目指す。

 同日新設したのは「Generative AIセンター」で、数十人体制で始動。同組織が推進役となり、約32万人に上る日立グループの業務に生成AIを順次生かすことを視野に入れている。

 さらに、生成AIをデジタル変革を後押しする主力事業「Lumada(ルマーダ)」に取り込み、上流のコンサルティングから運用支援まで手がける。コンサルサービスは6月から提供し、AIを業務効率の向上につなげるなど有効な活用策を模索する企業のニーズに応えたい考えだ。

 機密情報の漏えいや著作権・プライバシー侵害など生成AIの活用に伴うリスクが懸念される中、適正な業務利用を促すガイドラインの策定や相談窓口づくりも手助けする。

 日立独自の生成AI技術を組み合わせた新たなアプリケーションの開発にも注力。日本マイクロソフトとも連携する。小島啓二社長兼CEO(最高経営責任者)は、「リスクの低減策を講じながら最先端技術を安全に利用することで、未来の課題を解決し、サステナブル(持続可能)な社会の実現に貢献していく」とコメントした。

 (17日、電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)