2023.05.24 【次世代自動車用部品・材料特集】メイコー プリント配線板、統合型ECU対応など強化

メガスルーホール+内層厚銅基板の断面図

 メイコーは、電子化・電動化が進む自動車向けに各種プリント配線板を製造・供給している。特に最近は、統合型ECUへのシフトに伴う技術要求への対応や、EV化への対応、センサーパッケージへの展開などを強化している。

 同社は、電子制御ユニットのHPC(ハイパフォーマンスコンピューター)へのシフトに伴う車載用電子回路基板に対する高速通信、低CTE、放熱技術要求に対応した製品開発を推進。放熱性に優れる銅インレイ基板、選択スルーホールめっき厚付けによる放熱を行うメガスルホール基板などの技術を組み合わせることで、付加価値の高い製品開発に取り組む。

 EV化対応では、EVバッテリーの航続距離向上や高出力化要求に対応し、BMS(バッテリーマネジメントシステム)やオンボードチャージャー(OBC)、インバーターなどに向けた技術開発を推進。メタルベース基板や部品内蔵基板の開発にも力を注ぐ。

 2022年度の自動車向け売上高は、半導体不足などの影響を受けながらも前期比15.4%増の845億円と大きく伸長した。

 同社は中長期の事業拡大に向け、積極投資を実施。現在、国内新工場として山形事業所天童工場(山形県天童市)を建設中で、今秋の竣工(しゅんこう)、24年度からの本格出荷を予定する。また、石巻第2工場(宮城県石巻市)をパッケージ基板の製造拠点としてリニューアルしている。