ロチェスターエレクトロニクスは、世界の主要半導体メーカーが生産中止した（EOL）製品をオリジナルメーカーに代わって継続的に供給する半導体メーカーおよび代理店。EOLビジネスと代理店としてサプライヤー製品を取り扱う現行品ビジネスの2事業を柱とし、グローバルで事業拡大を続けている。

　近年、半導体不足の影響により、緊急調達を目的とする現行品ビジネスが急増した。昨年後半から需給が緩み、同社は戦略的にEOLビジネスへのシフトを開始。現状ではEOLビジネスが主軸となっている。

　日本オフィスの藤川博之代表は「この数年続いたサプライチェーンの混乱により、半導体メーカーと顧客、双方がBCPの重要性を認識し、戦略を見直し始めた。半導体メーカーはより良い出口戦略を求め、顧客は継続供給を求めている。当社は双方に最適なソリューションを提供し、サプライチェーンを支えていく」と話す。

　EOLビジネスの拡大戦略として、パートナーや取り扱い製品の拡充に力を入れる。今年1月には東芝デバイス＆ストレージとパートナーシップを締結。3月には米スカイワークスとの締結で、RF製品の供給を開始。米アナログ・デバイセズとの協業も拡大し、RF・マイクロ波製品の継続供給も始めた。

　藤川代表は「RF関連製品は置き換えが難しく、以前からニーズがあった。アナログ系やパワー系半導体の需要も高く、ラインアップの拡充に取り組んでいる。当社はグローバルで70社を超える半導体メーカーとパートナーシップを結び、高い品質の製品供給を行っている。オリジナルメーカーに認可された製品を供給するため、顧客も安心して使うことができる」と話す。

　パートナーおよび製品の拡充とともに注力するのが、車載分野への拡販。今年1月に同社施設での半導体製品の製造で、IATF-16949の認証を取得。同認証は、自動車業界の国際的な品質マネジメントシステムに関する業界最高水準の規格。今回の認証取得により、同社の品質と信頼性が認められた。

　「車載分野など今まで拡販していない分野でのビジネス拡大を目指す」（藤川代表）とし、積極的な営業活動を展開する。