2023.09.13 【スマートエネルギーWeek/オートモーティブワールド特集】日本アビオニクス 〈スマートエネルギーWeek〉

インバーター式溶接電源「NRW-IN400PA」(右)とトランス

インバーター式抵抗溶接機を出展

 日本アビオニクスは抵抗溶接、超音波、パルスヒート、レーザーの接合4工法から最適な工法を提案できる強みを持つ。電池の接合用途で今回出展するのは銅合金タブ(電極)に対応したインバーター式抵抗溶接機だ。

 EV(電気自動車)向けなどの円筒形リチウムイオン電池(LiB)を連結する際に用いるタブにはニッケルが多く使用されるが、高い導電率が特徴の銅合金が注目。ニッケルの導電率が2割程度に対し銅合金は約9割で急速充放電に適した素材として期待されている。

 銅合金は低抵抗で放熱性に優れ、充放電時の温度上昇を抑えて電池の長寿命化が図れる。材料単価もニッケルの約3分の1。ただ、溶接時はその導電率の高さがかえってネックになる。抵抗溶接では電流を流して生じる「抵抗発熱」で対象物を溶融・溶着させるが、抵抗の小さい銅合金は発熱しにくいためだ。

 同社のインバーター式溶接電源「NRW-IN400PA」は高速電流立ち上がりによる発熱量の確保とピーク電流の保持機能を備え、銅合金タブの高品質溶接が可能。比較的低コスト、短時間で接合できる抵抗溶接の適用を「難溶接」の領域にまで広げ、電池メーカーによる銅合金タブの採用を後押しする。

 スマートフォンなどに使用されるラミネート型LiB向けに箔(はく)などの微細金属接合に適した小型超音波金属接合機「SW-D600S-48」も紹介する。

 接合部のつぶれ過ぎを防ぐ高分解能の変位制御機能を搭載。負荷の高い状態からでも確実に発振できる独自の発振制御方式で高精度な接合を実現する。

 酸化を防ぐ目的で行うグローブボックス内での溶接作業時も発振機など一式が収納できる小型サイズ。金属間化合物の生成を抑制するため銅やアルミなど異種金属の接合にも適している。今後、全固体電池向けにも超音波接合を訴求していく。