KOAは高い信頼性を必要とする自動車関連機器から産業機器はじめ、環境・省エネ関連機器、さらにはコンシューマー向け機器までさまざまな用途に向け抵抗器を提供している。近年これら機器は高性能化・多機能化により使用される部品点数の増加や高精度化が進んでいる。また自動車の自動化や電動化に向けた部品への要求も変化し、機器に搭載される抵抗器においても抵抗値許容差や抵抗温度係数の小さい製品や、長期間の使用において部品の高信頼性が求められている。

　KOAの高信頼性薄膜チップ抵抗器RN73Hシリーズ（写真1）は、抵抗値許容差±0.05％～、抵抗温度係数±5×10^-6/K～という高精度を実現し、抵抗器の温度変化による影響を小さくできるため機器の安定性を確保できる。併せて、薄膜チップ抵抗器は長期的な抵抗値変化が小さいため、長い期間にわたり機器の信頼性を確保することができる。従来、高精度抵抗器は薄膜チップ抵抗器が主に使用されていたが、KOA独自の厚膜技術の進化により薄膜チップ抵抗器に迫る精度の厚膜チップ抵抗器RS73シリーズ（写真2）をラインアップに加えている。抵抗値許容差±0.1％～、抵抗温度係数±25×10^-6/K～の高精度であり、信頼性に対する安定性も従来の厚膜チップ抵抗器では困難であった抵抗値変化率±0.2％～を実現した。

　多くの電力が消費されるモーター関連機器や、バッテリー、DC-DCコンバーターなどでは、省電力を目的としたパワーマネジメントが必要になる。KOAでは電流を制御・モニタリングするための電流検出用抵抗器を豊富に取りそろえている。中でも主力の金属板タイプでは専用抵抗材料と銅を接合したシンプルな構造のTLRシリーズ（写真3）をラインアップしている。0.5mΩ～20mΩ、抵抗値許容差±1％、抵抗温度係数±50×10^-6/Kであり、低抵抗値の電流検出で影響が出る寄生インダクタンスを極力排除しているため高精度な電流検出が可能である。小型・高電力化により従来6432mmサイズで1W保証していた製品を面積比1／8の2012mmサイズで実現している。また、3216mmサイズで3W、6432mmサイズで5Wをラインアップし、最大100Aまでの電流検出を可能としている。

　近年需要が増加している太陽光発電やエアコンなどのインバーター回路では高電圧を検出するための分圧抵抗が要求されている。高耐圧チップ抵抗器HV73シリーズ（写真5）は汎用チップ抵抗器の最高使用電圧と比較して2～15倍高い最高使用電圧を保証し、6432mmサイズの最高使用電圧は3000V（D.C.）を実現している。自動車などの高信頼用途には高耐圧チップ抵抗器HV73Vシリーズ（写真6）をラインアップしている。3216mmサイズで最高使用電圧800V、定格電力0.33Wを保証し、機器の小型化、部品員数削減にも貢献する。KOAではさまざまなアプリケーションの要求に対応する製品開発、提案を行っていく。〈KOA（株）〉