2024.03.26 グリーン関連に9000億円投資 三菱電機、パワー半導体やエネマネなど

説明する漆間社長CEO

「サステナビリティ・イノベーション本部」の役割「サステナビリティ・イノベーション本部」の役割

脱炭素に向けた三菱の中長期目標脱炭素に向けた三菱の中長期目標

 三菱電機が、2024年度から2030年度までの7年間で約9000億円を、グリーン関連の研究開発に投資する。脱炭素化やエネルギー管理、次世代パワー半導体などの研究開発に投資するとともに、工場とオフィスの使用電力を30年度までに再生可能エネルギーなどの「クリーンエネルギー」で全て賄う計画だ。

 26日の説明会で漆間啓社長CEOは「社会・環境を豊かにしながら事業を発展させるトレード・オン(両立)を目指す」と強調した。

 同社は、21年度から25年度までに全体で計1兆6200億円の投資を計画する中、研究開発費は1兆1000億円を予定。そのうちグリーン関連投資は58%を占める。

 実績値では、グリーン関連は21年度から23年度までに3700億円を投資。この先24年度から30年度までの7年間で約9000億円を投じ、グリーン関連の事業を加速させる考えだ。カーボンリサイクルや、材料や製品の循環利用を実現する研究開発をはじめ、再エネを利活用できるエネルギー管理分野、機器の省エネ化や電動化といった領域にも投資する計画だ。

 工場とオフィスからの温室効果ガス排出量の削減も進め、30年度までに100%クリーンエネルギー化を目指す。22年度までに国内9拠点、海外10拠点で100%再エネ化を達成した。

 目標達成に向け、4月1日付で「サステナビリティ・イノベーション本部」を新設する。昨年10月から社内の各部門から48人を集め、社会課題を解決するプロジェクトを開始。「未来社会を構想しバックキャスティング(未来の姿からさかのぼって現在やるべきことを決める手法)で探索している」(漆間社長)といい、4月以降、本格化させる。

(27日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)