2020.06.01 オーディオテクニカARTの特別モデルMCカートリッジ2機種
「AT-ART9XA」(左)と「同9XI」
オーディオテクニカは、デュアルムービングコイル(MC)ステレオカートリッジ「AT-ART9XA」「AT-ART9XI」の2製品と、ヘッドシェル「AT-LH11H」を6月19日から発売する。税別価格はAT-ART9XAと同9XIが15万円、AT-LH11Hが1万1000円。
「AT-ART9XA」は、ボロンカンチレバーにシバタ針を搭載した、AT-ART7の後継モデルとなる空芯型MCカートリッジ。製品型番のARTとは「Audio-Technica Reference Transducer」の略称で、同社のカートリッジの中でも特別なモデルにのみ使用されている。
MCカートリッジの主流である鉄芯型と比べ、空芯型は磁気歪みの影響を受けないため、自然な音色や緻密な音場表現が可能だ。一方で、出力電圧が得にくいという性質があるが、「AT-ART9XA」では、コイルの巻き枠を新規設計することで出力電圧を向上、0.2mV(1キロヘルツ、5センチメートル/秒)を獲得している。
AT-ART9の後継モデルとなる「AT-ART9XI」は、ボロンカンチレバーに特殊ラインコンタクト針を搭載した鉄芯型のMCカートリッジ。この製品も特別なモデルに使用されるARTを冠しており、さらにオーディオテクニカの鉄芯型MCカートリッジのフラグシップモデルでもある。
磁気回路は同機種のために専用設計され、出力電圧は0.5mV(1キロヘルツ、5センチメートル/秒)と扱いやすく、MCカートリッジらしい繊細な表現を得意としながらも、ダイナミックに音楽を鳴らす。
両製品ともに、カートリッジの取り付け穴がネジ切り仕様になっており、ヘッドシェルまたはシェル一体型トーンアームへの取り付けも容易になった。
「AT-LH11H」は、ユニバーサルトーンアームに取り付け可能な質量約11グラムの高品位なアルミニウム製ヘッドシェル。ヘッドシェルの取り付け穴は貫通穴で、AT-OC9XやAT-ART9Xシリーズなど、取り付け穴がネジ切りタイプとなっているカートリッジに最適だ。
LHシリーズ最軽量約11グラムの仕様で、より多くのターンテーブルやトーンアームでカートリッジの選択肢の幅を広げる。