2026.04.07 タイにITインフラ投資が集中、マイクロソフトやグーグルなど相次ぎ進出

タイへの投資で会談するアヌティン首相(右)とマイクロソフトのブラッド・スミス社長

 東南アジアを巡るITインフラ投資の潮流が、かつてのシンガポール一極集中からタイへと移りつつある。半導体関連投資は主にシンガポールに流れた一方、タイではAIインフラやデータセンター(DC)への投資が目立つ。電力コストの優位性や将来的な内需の成長が見込めるため、とタイ政府関係者は分析する。

 米IT企業のタイ投資の先鞭をつけたのが、アルファベット傘下のグーグルだ。2024年9月に10億ドル規模を投じて、チョンブリ県にDC、バンコクには地域のクラウド拠点となるクラウド・リージョンを設立する計画を発表した。クラウドソリューションは1月に稼働を開始し、年内にDCの第1期が運用を始めるという段取りだ。

 アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は25年1月、タイでクラウド・リージョンの稼働を開始させた。15年間で50億ドル超を投じる長期投資計画で、タイ国内にとどまらず、周辺のASEAN諸国をカバーする基幹拠点として位置付けられている。

 マイクロソフトは先月末、26年から28年にかけて、クラウドおよびAI向けDCの整備と運営、さらにはデジタル人材に10億ドル超のプロジェクトを発表した。複数の地元企業とタイアップを結び、インフラ運営は技術移転を進めていく。同社のブラッド・スミス副会長兼社長がタイを訪れ、発表した。同社長と会談したタイのアヌティン・チャーンウィーラクン首相も「タイがアジアのデジタル・AI経済で地域のけん引役を果たすことが目標」と語り、米IT大手のタイ進出への期待は大きい。

 米IT企業がタイに着目する背景には、DCの集積地として成熟しているシンガポールに比べ、電力供給や通信インフラの面で優れているからだ。同時に、政府の熱心な投資誘致政策も各社への追い風となっているようだ。