2020.11.10 東芝、再エネ分野に経営資源集中22年度までに1600億円を重点投入

 東芝が22年度までに再生可能エネルギー分野に経営資源を集中させることが、10日分かった。22年度までに約1600億円を重点投入する方針。30年度に再エネ事業は、売上高で6500億円程度の主力事業に育てることを目指す。

 既に東芝は、太陽光や風力などの発電設備のほか、発電プラントの排気ガスから大気中に放出される二酸化炭素(CO₂)を分離・回収する設備などを手がけてきた。こうした実績を土台に、エネルギー事業全体の年間投資額の約5倍に当たる資金を再エネ分野に投じたい考えだ。

 世界で「脱炭素」の流れが強まる中、菅義偉首相は10月、50年に国内の温室効果ガス排出量を実質ゼロにすると宣言した。地球温暖化を招くCO₂を大量に排出する石炭火力の需要が減る中、石炭火力発電所の新規建設からは撤退する方針だ。

 東芝は同日、持続可能な社会の実現に向けた道筋を示すグループの長期ビジョン「環境未来ビジョン2050」を発表。30年度までに、製品の開発から生産や販売に至るバリューチェーン(価値連鎖)全体で排出される温室効果ガスを19年度比50%減らす目標を掲げた。50年度までには、同80%以上削減することを目指す。