2021.06.07 東芝が株主還元強化、500億円の特別配当1000億円を上限とする自社株買いも

 東芝は7日、約500億円の特別配当と1000億円を上限とする自社株買いを実施すると発表した。株主への利益還元を強化することが狙い。

 特別配当は、6月30日を基準日として1株当たり110円。中間配当と期末配当の予想は、それぞれ40円。22年3月期の年間配当予想は前期実績(80円)の約2.4 倍に当たる190円で、過去最高となる。

 自社株買いについては、取得株式数の上限が2700万株で、自社保有分を除く発行済み株式の約6%に相当する。取得期間は8日から12月31日まで。自社株買いは18年11月から1年間、7000億円を上限に実施して以来という。

 同社は、平均連結配当性向30%以上の実現を掲げ、適正資本水準を超える部分を株主還元の対象としている。業績改善などを受けて5月の取締役会では、約1500億円の追加株主還元を行う方針を決めていた。「物言う株主」との緊張状態が続く中、還元強化を関係改善につなげたい考えだ。