2021.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】日本システムウエア 多田尚二社長

多田 社長

3事業連携でDXサービス強化

 2021年度は「DXファースト」を掲げて取り組んできた中期経営計画の最終年度になり、売上高420億円、営業利益率10%以上を必達したい。20年度は新型コロナウイルスの影響はあったが、テレワーク関連やDXを支援する案件が拡大し、全体では9期連続の増収増益となった。21年度もクラウドへの移行やデジタルを切り口にした案件が多く、順調に滑り出している。

 この一年はリモートワークをキーワードにした案件が拡大し、情報システム関連のアウトソーシングやヘルプデスクの依頼も増えた。遠隔支援などの観点から引き合いが活発になっている産業用スマートグラス「リアルウエア」の出荷も好調で、製造や建設業などを中心に100社強1000台の端末を導入した。

 ユーザー企業側でのデジタル化の流れは加速しており、製造や流通、物流など、さまざまな産業でデジタルを意識した取り組みが始まっている。社内体制もSIなどを手掛けるITソリューション、組み込みなどを手掛けるプロダクトソリューション、サービスを手掛けるサービスソリューションの主力3事業が横の連携を密にしてDXのサービス化を進めている。

 DX関連事業も20年度に約40億円まで拡大した。今年度は100億円まで増やす計画で、組み込みやデバイス開発からSIサービスまで全て持つ強みを生かしたサービスの開発を進めようとしている。プロダクト事業で培った要素技術を活用しサービス化する取り組みも加速させる。

 現在はDXにより具体的な価値を生んでいく道筋を示す「DXバリューオファリング(仮称)」を構築中だ。業種ごとのユースケースなどを示していきたいと考えている。

 今年度、売り上げを400億円台に乗せられれば次のステージとして売り上げ500億円、営業利益率12%がターゲットになってくる。今後は体力に合ったM&Aも進める。8月にはIoTサービスの強化を目的に、制御技術で強みのある広和システムを子会社化した。当社の技術力などを強化できる提携などは、継続して模索する考えだ。