2021.09.01 【防災の日特集】NITTOKUポータブル蓄電システム

ポータブル蓄電システム「LiBE」

停電時に家電が使用できるリチウムイオン二次電池搭載

 NITTOKUは、災害などによる停電時でも家電品などが使えるリチウムイオン二次電池を搭載したポータブル蓄電システム「LiBE(ライブ)」シリーズを市場に投入している。

 同社はコイル自動巻線機メーカー。コイル自動巻線機のコア技術を応用して生産ライン用搬送システムのプラットフォームを開発し、同プラットフォームをベースに、グローバルな「精密FAエンジニアリング企業」を目指している。

 LiBEシリーズは、東北大学未来科学技術共同研究センター・長谷川史彦教授らの研究チームとの共同研究を通じて製品化したもので、同チームが開発したリチウムイオン二次電池を搭載している。同電池は正極材に安定構造を持つスピネル型マンガン酸リチウムを採用しており、発熱発火の危険性が極めて低いことに加えて、長期間充電せず使用しない状態でも充電電圧を保持することができるので、非常時の備えとして有効な特長を持つ。

 避難場所での使用を想定したモデルの充電容量は800Wh、出力はAC100V、700Wでスマートフォンなら40台以上を充電できる。また一般的な扇風機なら20時間以上、電気毛布なら12時間以上使える。

 複数のLiBEを連結して、1カ所のコンセントからまとめて充電できる。最速でおよそ30分の急速充電が可能。オプションとして太陽光発電など再生可能エネルギーの蓄電も対応可能で、停電が長引く事態を想定する場合に便利。価格はオープン価格。

 同蓄電システムは、同社福島事業所(福島市)が担当する。福島県や宮城県など近隣エリアへの展開、自治体や企業の防災意識の高まりに呼応して販売を拡大する。

 同社はポータブル蓄電システムのほか大学や他企業とオープンイノベーションを推進している。

 その一環として、古河電気工業(古河電工)と協業し、古河電工のファイバーレーザー技術に、同社ののFAトータル制御技術を組み合わせて、EV車向けモーター用レーザー溶接機の製品化と、同モーターの生産プラットフォームを構築する。

 生産ライン用搬送システムのFAプラットフォーム「FLEX-1」は、リニアモーターを採用したモジュール式の生産ライン用搬送システムで、ヤマハ発動機と連携し、ヤマハのリニアコンベヤーモジュールを採用している。同システムにスカラロボット、多軸多関節ロボットなど、さまざまな生産設備を組み合わせて、変種変量生産や専用量産ラインとして稼働できる。