2022.02.09 【掃除機特集】 スティックタイプが主流に
清潔ニーズの高まりを背景にコードレススティック掃除機が注目されている
コロナ禍で在宅時間が増加したことから、室内の清潔性に目を向けるユーザーが増えた結果、掃除機の販売が伸びている。近年では、掃除の負担軽減の観点から、軽量でハイパワーが特長のコードレススティック掃除機が注目され、掃除機各社は軽量・ハイパワー化に向けた商品開発を強化している。
掃除機市場では、家事負担、掃除負担を軽減するため、軽量で取り回しに優れたコードレススティック掃除機の販売構成比が高まり、今では掃除機の中心的な存在となった。
掃除機各社では、コロナ禍で浸透した清潔・快適意識は今後も継続するとみて、今期以降も安定した需要を見込んでいる。
市場では、高齢化や共働き世帯の増加を背景に、コロナ禍以前から家事負担軽減へのニーズが顕在化していたが、新型コロナ感染症拡大によって在宅時間が伸びたことから、掃除にとどまらず洗濯、調理など、従来以上に家事負担が増えたことで、省力化へのニーズはより加速した。
軽量で取り回しに優れたコードレススティック掃除機は、掃除負担の軽減につながるとして、ロボット掃除機と合わせ、注目されるようになった。
掃除機市場でかつて主流だったキャニスタータイプの掃除機の出荷台数を上回っており、既に家庭ではコードレススティック掃除機をメインの掃除機として使う人もいる。
掃除機各社では、軽量化とパワー向上、あるいはデザイン性など、利便性に磨きをかけた総合的な商品開発に力が入りそうだ。
掃除機市場では、2020年度全体需要は2桁(11.8%)増の488万4000台(日本電機工業会=JEMA調べ)と好調に推移した。とりわけコードレススティック掃除機は、前年比19%増で推移、掃除機全体の中でコードレススティック掃除機の構成比は64%(シャープ調べ)まで高まったという。
21年度は掃除機全体は前年度好調の反動で伸び率は鈍化するとみられるが、21年計(暦年)は490万2000台で前年比104%となり、2年連続のプラスで推移した。
パナソニックの主力製品
「パワーコードレス」MC-NS10K、掃除の負担を大幅に軽減
パナソニックは、ニューノーマルの時代に、一人一人のライフスタイルに合わせた「ちょうどいい」暮らしを実現する新たな家電やサービスの提案に取り組んでいる。
掃除機では、掃除の始まりから終わりまで、「ラクに使えて、しっかりキレイ。」をコンセプトに、業界初となるセパレート型コードレススティック掃除機を昨年10月から発売。計画を大きく上回る売れ行きとなり、品薄状態となっている。
「パワーコードレス」MC-NS10Kは、国内で初めてスティック本体から分離したダストボックスを充電台に内蔵した、セパレート型のクリーンドックを搭載する。
1回の掃除ごとに本体にたまったごみをクリーンドック内の紙パックに自動収集する。これにより、スティック本体のごみ捨てをなくし、掃除後の手入れを大幅に軽減する。
ダストボックスを分離したことで、本体はスリムで軽量なデザインとなった。クリーンドックに設置された本体を手前に引くだけで簡単に取り出すことができる。手元にかかる重量が約0.45キログラム(本体質量約1.5キログラム)と軽量化を実現、掃除中は軽く動かすだけで操作できる。
さらに、掃除終了後もクリーンドックに設置するだけでごみの収集と充電が自動で開始するため、掃除の始まりから終わりまで負担が大幅に減る。
クリーンドックの紙パック交換は1カ月に1回。紙パックのため簡単・清潔に交換でき、ノズルは髪の毛やペットの毛も絡みにくい「からまないブラシ」搭載で、手入れの負担も大幅に軽減できる。
本体とクリーンドックは、いつでもサッと掃除できるように、リビングなどの居住スペースに置くことを想定し、空間に溶け込むデザインを採用した。
本体にはクリーンセンサーを搭載しており、約20マイクロメートルの微細なごみもランプで知らせるため、見えないごみも逃さず掃除できる。
クリーンドックには「ナノイーX」を搭載。掃除後にスティックを戻すと、1日当たり約4時間ナノイーXが放出され、紙パック内に集めたごみを除菌・脱臭する。ペットの毛などの気になる臭いも脱臭するので、リビングなどの居住スペースに設置することができる。
■からまないブラシ採用
MC-NS10Kをはじめ、同社コードレススティック掃除機や紙パック、サイクロン掃除機には同社独自のからまないブラシを搭載する。同ブラシは、中央に向かって先端が細くなる円すい形のブラシを2本採用した新構造で、かき取った毛をほどきながら中央に集めて吸引する。
ブラシの毛量を従来に比べ大幅に増やした密集ブラシにすることで、髪の毛やペットの毛がブラシの隙間・根本に入り込まず、絡みにくくなり、高まる清潔ニーズに応える。