2022.12.08 “売らない店”のノウハウ売る b8ta(ベータ)が体験型ストアの導入・運営サービス提供
導入企業の担当者と会見に臨んだベータの北川社長(左端)=8日、東京都千代田区
売ることを主目的としない体験型ストア「b8ta(ベータ)」を展開するベータ・ジャパン(東京都千代田区)が“売らない店"を開業・導入・運営するノウハウやソフト、ハードウエアの提供に乗り出した。「by b8ta(バイベータ)」と銘打って2023年度中に30拠点への導入を目指す。
「体験型ストア・コーナーを自店に導入したいがノウハウがない」「より良いサービスに変えるヒントを模索している」という企業や小売業者の声を受け、「ノウハウからオペレーションまでを一気通貫」するシステムの外販を始めた。
店内で何が起きているかなどデータを管理し可視化するソフトや、来店客の行動分析ツール、什器のデザインや制作、スタッフ支援など8項目に渡り相談に応じる。同社によると8月以降、既に60社超の問い合わせを受けているという。
8日に東京都内で開かれた記者発表で、ベータ・ジャパンの北川卓司社長は「ベータはアメリカで生まれ、日本でノウハウを磨いた。アメリカでは家電が中心で、これでは国内量販店との競合は難しく、業績の天井が見えてしまうことはわかっていた。セールスのドライブに何ができるか考えた時、バイベータが本流になると見ていた」と語り、既存の戦略として「人々に新たな発見をもたらすことを目標に、小売業界を盛り上げていければ」と強調した。
会見にはバイベータの導入を決めた会社も登壇。携帯電話ショップなどを展開する兼松コミュニケーションズ(東京都渋谷区)は「地域の名産品やスタートアップの製品、国内未販売の商品の展示紹介に注力したい」と説明。福島日産自動車(福島市)も「電動車の増加から先端技術と試乗体験を求めるユーザーが増え、関連商品と合わせ、売り場から体験場に変えていく」と導入理由を語った。
2019年設立のベータ・ジャパンは国内に常設4店舗を構えるほか、各地でポップストアも展開。出品企業は279社・389商品に及び、全店でのインプレッション数は約1035万件に上る。
(9日付電波新聞、電波新聞デジタルで詳報します)