2023.01.03 【暮らし&ホームソリューション特集】’23年各社の戦略 ダイキン工業 舩田聡専務執行役員空調営業本部長

舩田 専務

トータルソリューション提案に注力
商品の安定供給に万全を期す

 2022年度上期(4~9月)は、上海ロックダウンの影響が大きかった。今期は当初、省エネ機の構成を高め、顧客にとって電気代高騰のおり、経済的なメリットが得られ、メーカーにとっては付加価値提案ができ、販売店は単価が上がるという三方良しの提案を強めるべく動いていた。

 ただ、上海ロックダウンの影響で、部品が計画した通りにそろえることができず、ルームエアコンの場合、普及機は作れたものの、上位ゾーンのモデルが計画したほど作れなかった。結果的に、トータルで販売はできたものの、機種構成面では思った通りにはいかなかった。

 上期第1四半期(4~6月)においては、他社の供給が厳しい中で、当社はしっかり供給でき、第2四半期(7~9月)は他社の供給も追いついてきて、当社が押され気味といった展開で、上期トータルでは業務用空調が前年並み、ルームエアコンは前年プラスとなり、業界全体が前年割れとなるなか、シェアは高めることができた。

 今後はルームエアコンでは、うるさらXをはじめ、フラッグシップからミドルタイプまでの省エネモデルを半分程度に高めていきたいと考えている。

 23年の市場環境は、下期(22年9月~23年3月)は、上期とほぼ変わらない状況が続き、23年度はウィズコロナの定着で、人流や経済活動も普通になり、厳しかった業務用市場が回復、市場ニーズに合わせ最適なシステムを提案する。

 業種・ユーザーごとに見極めながら、メニュー提案に取り組む。各地の再開発案件が控えているほか、エネルギーコストの上昇やカーボンニュートラルの実現に向け、工場関係の省エネ設備投資も拡大、学校空調の導入も残っており、業務用マーケットは前年を上回ると見込んでいる。

 家庭用エアコンの市場については、23年度も横ばい傾向が続き、900万台程度と見込んでいるが、こういうなかでも、引き続き寒冷地需要は伸びるとみられ、電気代が高騰するなか、省エネをキーワードとしたニーズは強まる。

 またうるさらXでは、換気量、除湿量、加湿量がさらにアップし、年中快適な空気質を提供していく。

 特に夏場のエアコンの使用時間が伸びるなかで、リニアハイブリッド除湿により最適な除湿量を制御することで、省エネにも貢献するなど、しっかり特長を訴え、販売構成を高めていく。

 また、600色に対応できる豊富なカラーと多彩な機能を搭載した薄型スタイリッシュなrisoraも露出を強めたい。

 当社は空調専業メーカーとして、商品の安定供給に万全を期す。クラウド型空調コントロールサービス「DK-CONNECT(ディーケーコネクト)」や、ビル用マルチで展開する「アシスネットサービス」と合わせ、お客さまとつながり、故障診断やサービス・メンテ、効率的な省エネ制御など安心して使えるようなトータルソリューションにも力を入れる。