2023.01.11 【電子部品総合特集】ローム 松本功社長 海外売上高比率50%に引き上げ
松本 社長
半導体の陰りが言われているが、当社の半導体は該当せずパワー、アナログはまだまだ不足感がある。ただ、22年度は円安の追い風がかなり大きかった。真水で成長することが大事だ。ここ数年ぶれずに注力してきた車載、産機に引き続き力を入れ、注力商品に積極投資する。車載の売り上げは伸びているので、今後は産機の売り上げを伸ばす。SiCパワーデバイスの売り上げ増で車載売上比率は上がるが、産機売上高比率20%を30年までに、早ければ25年度までにやりたい。当社が強いパワー、アナログをFAや基地局、太陽光パワーコンディショナーへ拡販し、戦略トップ10などの高付加価値、高成長LSIも拡販していく。
海外売り上げも伸ばしていく。中国、欧米の売り上げはかなり増えたが、SiCパワーデバイスやゲートドライバーなどで伸ばし、現在38%の海外売上高比率を25年度に50%に引き上げたい。生産は前工程を日本でしっかりやり、後工程はマレーシア、タイ、フィリピンを中心にやり続ける。
25年度までの5年間で5000億円を事業の成長に向け投資する中期経営計画に沿って、毎年1000億円ペースで投資する。特にパワー系、アナログ系の生産能力増を建物の建設を含め進める。22年度も1200億円の設備投資のうち生産能力増に769億円、建物に259億円を充て、22年度末には全体の生産能力を21年度末比10%増やせる見通しだ。23年度も1000億円から1200億円規模の設備投資を検討中で、1年間で全体の生産能力10%増を目指す。SiCパワーデバイスだけで24年度から26年度までの3年間分で9000億円の引き合いがある。車を中心にオンボードチャージャー、充電器などの需要にしっかり応えていく。SiC前工程のローム・アポロ筑後工場を6インチで12月から稼働させた。25年に8インチを稼働させ生産効率を上げていく。SiCの後工程は韓国でも行っているが、タイを中心に増強する。GaNも量産体制を整えた。
23年度は増収増益計画を打ち出し、やるべきことをしっかりやり、中期経営計画を全うしていく。売上高5000億円規模の会社に見合う品格のある会社にしたい。規模を追ったベンチャー精神の会社から脱却し、大企業病にならないようコーポレート部門強化を3年間でやっていく。