2023.01.18 【情報通信総合特集】日本事務器 田中啓一社長
DX追い風にICTへ高い需要
2022年はコロナ、ウクライナ情勢、円安、物価高など厳しい状況の中で、ICTの国内市場も影響を受けた。半導体不足からくるハードウエア入手の遅延による納期のずれ込みや、働き方改革やDXが需要を拡大させるなど、プラス・マイナス面どちらにも影響を及ぼした。
当社の22年度の業績も、プラス・マイナス面の影響を受けているが、計画値からぶれることなく推移している。
ヘルスケア分野では、病院向けの電子カルテや医事システムのほか、院内の窓口業務など〝医療DX〟の需要が拡大した。今後は未病分野も強化していく考えだ。
民需系分野ではシステムの導入だけに終わらず、活用・定着までを視野に入れた支援に注力している。また、電子帳簿保存法やインボイス制度など新たな法整備への対応では動画やセミナーに加え、当社の経理部門などが加わり、実務者の声を反映させた提案活動を実施した。基幹システムでは、クラウドサービスへのマイグレーション、サイバーセキュリティー対策などに注力している。
新規事業では、学生・教員の間で参考文献や本のレビューを蓄積・共有することで、それぞれの学びに役立てることができるアプリ「BOOK MARRY(ブックマリー)」の提供を開始した。学習支援サービスとしても活用できる。
また、漁業者の勘や知恵、長年の経験を記録し長期的に漁業活動を把握できる、漁業関係者に向けた「MarineManager +reC.(マリンマネージャープラスレック)」というサービスの提供も開始した。ITを活用しデータを利活用することで「新しい漁業」への第一歩となるよう、水産従事者とのサービスの共創に努めていく。
ICTは今や、企業経営には必要不可欠であり、23年も引き続きDXなどが追い風となりICT需要は高い状態を維持すると思われる。
24年には、創業100周年という大きな節目を迎える。これからも「経営とICTの最適な関係」を探りながら、質の高いソリューションを提供していきたい。