2023.03.28 【電子部品メーカー・商社 中国拠点特集】 変革を遂げる中国の日系電子部品工場 スミダコーポレーション番禺工場 スミダコーポレーション

番禺工場の外観

桑原 EVP桑原 EVP

生産技術を各工場へ展開、素早く量産を立ち上げへ

 スミダコーポレーションは、中国では番禺工場(広州市)を中核に7工場を展開。継続的な設備投資の実行、設計から量産までさらなるスピードアップ、徹底した生産性向上で、付加価値の高い生産活動を展開する。

 マザー工場の番禺工場は、プレス・成型金型の設計・製作、製品設計、生産技術開発などの機能を備え、同工場で確立した生産技術の各工場への展開や、試作ラインを活用した迅速な新製品立ち上げなどを行う。

 スミダコーポレーションの桑原正幸エグゼクティブ ヴァイスプレジデント(スミダグループ製造統括責任者)は、「2022年はコロナの状況下でも好調に生産が推移し活況だった。EV関係をはじめ、スマートフォンなどの民生機器用、産機向けもそれぞれ堅調に推移した」と話す。中国工場は全工場でIATF16949認証を取得済み。

 中国には多くの設計技術者が在籍し、従来中国で開発した商品をグローバルに展開してきたが「中国で開発した生産ラインをほかのアジアや欧米などの製造拠点にグローバル展開するケースも増加している。これにより、素早い量産立ち上げにつなげている」(桑原EⅤP)。

 ITを活用した生産ラインの見える化にも力を注いでおり、生産の進捗や稼働状況、出荷状況などがリアルタイムで把握できる体制を構築。今後もこうしたシステムの導入をグローバルでさらに拡大していく。

 コロナ対応ではマネジャー級以上の社員も一般ワーカーとともに工場に宿泊することで工場全体の一体感を高め、また、コロナによるサプライヤーへの影響を踏まえた材料手配により材料の在庫切れを防ぎ、物流面でもさまざまな工夫に努めた。「これらにより工場の稼働が止まることはなく、顧客に迷惑かけることなしに対応できた」(桑原EVP)。

 23年の生産見通しについて桑原EVPは、「年間では22年を上回る見通し。特にEV関係は高い伸びが期待できる。今後も生産性改善に努め需要増に対応する」と話す。