2023.03.28 【電子部品メーカー・商社 中国拠点特集】 変革を遂げる中国の日系電子部品工場 競争力強化などで体制づくり追求
日系電子部品メーカーが中国に構えている工場では、各社のグローバル生産の中核として付加価値の高いモノづくりが志向されている。各社は中華圏およびグローバル市場への供給拠点として、中国工場の体制強化を推進。品質のさらなる向上や競争力強化のための体制づくりを追求する。
各社の中国工場は、操業開始から長い歴史を持つ拠点が多く、高いスキルや管理能力を有する現地スタッフが多数育成されているのが強みとなっている。
各社は、長年の事業活動を通じて培ってきた技術やノウハウの蓄積を活用し、高い生産性と品質を維持しながら、コスト追求との両立を図ることで、中国工場の一層の充実を目指す。
最近では中国工場の生産技術部門を強化し、現地で自動化生産ラインの開発に取り組むとともに、これらの生産ラインをグループの他地域の製造拠点にも移管することで、グローバルでのスピーディーな生産展開が図られている。
近年は米中摩擦激化の影響や中国での人件費高騰、さらにはコロナ対応や地政学リスクを考慮して生産の中国一極集中の是正を進める企業も多い。しかし、拡大する中国国内市場への対応や、成長する中国系有力完成品・完成車メーカーを近場でサポートするための拠点としての中国工場の重要性に変化はない。
今後も各社は、中国工場の自動化や省力化を通じて生産性の向上に努めるほか、金型の設計・製造や製品開発、製造技術開発の機能を拡充することで、中国工場の一層の付加価値向上を図る。
同時に、環境対応を重視した生産体制の構築にも力が注がれており、工場の屋上部分への太陽光発電パネルの設置や購入電力のリニューアブルエナジーへの切り替えなど、さまざまな取り組みが見られる。