2023.07.14 【電子部品技術総合特集】NKKスイッチズ 大貫一光開発本部長兼生産本部副本部長

大貫 本部長

マーケットインを方針

顧客、市場と連携し商品企画・開発進める

 NKKスイッチズはコーポレートスローガンに「品質へのあくなき追求」を掲げる。大貫一光開発本部長兼生産本部副本部長は「全社方針に沿って開発部門でも『品質第一』を方針に取り組んでいる。プロダクトアウトではなく、マーケットインを方針に、顧客、市場との連携を密にしながら商品企画や開発を進めている」と話す。

 2022年度にスタートした中期経営計画(3カ年)の目標は「信頼し、信頼される良い会社」の実現。「品質は当然だが、顧客の求める納期や仕様への対応を含め、信頼される会社を目指していく。ただ昨今は半導体不足や材料調達難を含め、納期面で十分な対応ができていないため、納期回復にも取り組んでいる」(大貫本部長)。

 重点方針の一つに「モノ売りからコト売りへ」を掲げ、ソリューションビジネスを強化。スイッチ単品開発に加え、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)スイッチテクノロジーズをポリシーに、スイッチで培ってきた技術を活用し、顧客の困り事の解決に努めている。納期面の強化のため、材料調達難を踏まえた既存品の設計変更などにも力を注ぐ。

 22年3月にユニバーサルデザイン照光式押ボタンスイッチ「TB01シリーズ ベゼル」の販売を開始した。JIS Z 9103安全色および「カラーユニバーサルデザイン(CUD)」に対応している。同じく22年3月に同社初の面実装対応の「照光式押ボタンスイッチ KP04シリーズ」も発売した。独自構造でクリック感と接点接触のタイミングを同期させ、直感的な操作が可能だ。

 「今後も特定市場や特定の顧客のニーズへの対応を目指し、新商品開発を進める」(大貫本部長)。

 注力分野は放送・音響や医療関連、特別車両など。北米や欧州など地域ごとの特定の顧客や市場のニーズに的確に対応するため、海外販社との連携強化にも努めている。

 同社は今年12月に創立70周年を迎える。