2023.08.09 【コネクター特集】イリソ電子工業 車載に次ぎ産機向けを第2の柱に
イリソ電子工業は、自動車市場や産機市場、コンシューマー市場を事業拡大に向けた柱と位置付け、積極的な新製品開発と生産・販売体制強化を進めている。
自動車市場では、AVNに加え車載電装分野でも高い技術力が評価され、新製品のスペックインが活発。産機向けは、車載に次ぐ第2の柱として確立させる。
同社は、独自のフローティングテクノロジーを採用した3次元可動BtoBコネクター「Z-Moveシリーズ」を拡充。接点が固定されたままZ軸が可動する構造で、耐振動性、耐衝撃性に優れる。振動(共振)・衝撃によるはんだ付け部のストレスを緩和。作業性、信頼性を大幅に向上する。
新製品開発では、パワートレイン用高電流コネクターや高速伝送用コネクター開発に力を注いている。パワートレイン系では「3次元可動BtoBコネクター」と「振動シミュレーションサービス」を組み合わせた「耐振ソリューション」を展開。振動シミュレーションサービスにより顧客機器の耐振性を評価し、問題点の早期把握と対策の提案を行い、高評価を得ている。
高速伝送対応では、25ギガbps対応0.5ミリピッチフローティングコネクター「10143シリーズ」を開発。X-Y方向に0.8ミリメートル可動(Z方向はプラスマイナス0.5ミリメートルを嵌合〈かんごう〉長で吸収)。大きな可動域のフローティング機能にもかかわらず、BtoBコネクター史上最高クラスの高速伝送が可能。固定金具機能を兼ねた電源用端子をコネクター両端に搭載している。
同社はBCP対応を強化している。その一環として、秋田県横手市にコネクターの新工場を建設する。23年度に着工し、25年の本格稼働を予定。
また、岩手県花巻市に金型の新工場を建設する。