2023.09.27 手のひらサイズの3D音響 シーイヤーがポータブルスピーカー開発 20万円相当のSPに匹敵

「Cear pave」

複数台を連携し、より立体的で迫力ある音響空間を実現することも可能。現状で5台の連携を確認しているが、理論上は10台以上も可能という複数台を連携し、より立体的で迫力ある音響空間を実現することも可能。現状で5台の連携を確認しているが、理論上は10台以上も可能という

 音響機器を開発するスタートアップのシーイヤー(東京都台東区)が、空間オーディオのような3Dサラウンドを実現するポータブルスピーカー「Cear pave(シーイヤーパヴェ)」を開発した。手のひらに乗る小型サイズながら、20万円相当のスピーカーセットに匹敵するような音響体験を可能にすることをうたう。

 本体は9.5センチメートル、590グラム以下の軽量・コンパクト設計。クアルコムの音響機器向けチップ「Snapdragon Sound」を搭載し、高性能を実現している。スマートフォンからの音源をブルートゥース接続で再生できる。

 15Wスピーカーを2個備え、物理的には両サイドから音を発するが、独自のアルゴリズム制御により、正面で聴くことによって立体的な音響に合成される。15年にわたって音響信号処理を中心に研究開発に取り組んできたメンバーがそろったことで、「競合他社の空間オーディオの一段上をいく音響技術を開発できた。他社にない技術」(村山好孝社長)と自信を見せる。

 シーイヤーは、開発した音響関連技術の特許を他社に供与するライセンス事業も展開する。今回、開発したパヴェの肝となる技術「Cear Field」もライセンス提供していく考えだ。

 パヴェは、CCC系クラウドファンディング「グリーンファンディング」で27日からプロジェクトを開始。価格は税込み3万1800円からで、12月31日まで。来年3月から順次発送する予定だ。

(後日、電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)