2023.11.15 【Inter BEE特集】ミハル通信 「ELLシステム」など3つの展示コーナーで提案

ELLシステムを使ってリモートでのライブを実現する

 ミハル通信は、▽世界最高水準の極超低遅延映像・音声伝送システム「ELL(Extreme Low Latency)システム」▽放送局向けのミニサテシステム▽緊急回線バックアップ装置、の三つの展示コーナーで提案する。

 同社が注力してきたELLシステムは、極超低遅延で8K、4K映像を伝送できるシステムだ。

 現在、8K対応のELL8KエンコーダーとELL8Kデコーダー、開発中の2K・4K対応のELL Lite(試作機)で構成されている。これまでにさまざまな実証実験を行い、低遅延・高画質での伝送実験に成功している。

 ELLシステム2台(1対向)を次世代ネットワーク「NGN」の網内折り返しで接続し、映像・音声の極超低遅延伝送を実現する。また、ELL Liteを使うことで、カメラ映像と共に、音声インターフェースのDanteやMADIで組まれた多チャンネル音声を、公衆回線経由で遠隔地まで伝送するシステムの構築が可能となる。

 今年はELLシステムを使用して、幕張メッセの同社ブースと約50キロメートル離れた同社鎌倉本社を公衆回線でつなぎ、実演デモを行う。

 1人が幕張メッセでギターを演奏し、同時に、日替わりでフルート、バイオリンのゲストアーティストが鎌倉本社で演奏してセッションする。

 それぞれのステージをELL伝送システムの極超低遅延映像と音声でつなぐ「リモート・ライブ・セッション」で、ELLシステムによる極超低遅延の映像・音声伝送を体感してもらう。

 新製品として、同社独自開発の「複数波一括処理方式」を採用した放送局向け「ミニサテ装置」を披露。UHF帯域で放送される地上デジタル放送を受信し、指定の周波数で送出できる。出荷後でも周波数の変更・追加が行えるほか、最大8波まで対応可能だ。

 BCP(事業継続計画)対応として、小型ダイキャスト筐体(きょうたい)で容易に運搬できる。AC60(CATV用UPS)とAC100V(商用)に対応している。

 放送局向けには、中継局へのSTL、TTL回線の緊急回線バックアップ装置として「緊急回線バックアップ装置IP送信機/IP受信機」を展示する。同装置は、万一の放送送信回線障害時や事故発生時に迅速な復旧を実現する。

 マルチキャスト対応で、マスター送信機1台から、複数の中継局(複数の受信機)に同時配信が行える。SFN回線とMFN回線の両方に対応する。

 出力はTS、F-Sync、Clock、IF(ISDB-T)、放送波(RF)を備えており、幅広い中継局に対応することができる。