2025.01.10 【放送総合特集】ケーブルテレビ局 eスポーツなど活用 シニアの交流促進や運動習慣創出
大会の様子
ケーブルテレビ局では、eスポーツやAR(拡張現実)などの技術を用いて社会課題を解決しようと、さまざまな取り組みを進めている。一部紹介する。
コミュニティネットワークセンター(CNCI)、シーシーエヌ、スターキャットは、日本福祉大学の協力の下、スポーツ庁の委託事業「2024年度 Sport in Life推進プロジェクト」で、シニアや子ども・若者向けに、eスポーツを活用し新しい交流体験を促すとともに、プレーヤー以外の参加者の応援に焦点を当てた「応援ダンス」を制作。リズムを感じながらストレッチできる動きを組み合わせ、新しい運動習慣の創出および検証を行った。
■背景
eスポーツは60代でも65%を超える認知度を誇り、全国健康福祉祭「ねんりんピック はばたけ鳥取2024」でeスポーツが初の正式種目となるなど高齢者の間でも盛り上がりをみせている。
CNCIグループでは、これまでも企業や自治体と連携し、多くのシニア向け体験会の企画・運営を手掛けてきた。その実績を基に、観戦・応援する側に焦点を当て、運動習慣の創出、交流の活性化を目的とし、世代を超えて運動できる「eスポーツ応援ダンス」を考案した。
実施内容は①応援ダンスの制作と動画公開②健康講座・応援ダンス指導・eスポーツ体験会の開催③eスポーツ大会の開催と応援ダンスの披露④ ②③の実施結果を踏まえた効果検証など。愛知県と岐阜県に在住の60歳以上の高齢者が対象。
応援者を除く参加者数は、体験会(計3日×2拠点同時開催)が延べ約60人、大会(1日×2拠点同時開催)が約25人だった。
参加者からは「体をみんなで動かすことができて楽しかった。リフレッシュできた」「初めて会う人とも交流できた」「学生と交流でき、元気・パワーをもらえた」「健康について考えるきっかけになった」といった感想が寄せられた。
主催者は、新たに何かスポーツを始めることや、体を動かすことに抵抗のある人もいるが、事業をきっかけに健康と運動、仲間と一緒に体を動かし、交流する楽しさなどを伝えられたのではないかと考えている。
■今後
事業で制作した動画や検証結果は、CNCIを中心に作成した「中部シニアeスポーツ研究会」を通じて共有し、継続・拡大に取り組むとともに、全国のケーブルテレビ会社へ情報公開し、普及浸透を目指す。
CNCIグループは今後も地域と連携し、eスポーツを通じた社会課題の解決に取り組んでいく。