2025.06.03 「スマホで宇宙に近づく」 仏ベンチャーから革新的な天体望遠鏡が登場
スマートフォンで天体を観測・撮影できるようにする「Hestia」
天体望遠鏡メーカーなどの国内総代理店を務めるサイトロンジャパン(東京都新宿区)は、天体観測機器を手がける仏ベンチャー、Vaonis(ヴァオニス)のスマートフォン用天体望遠鏡「Hestia(ヘスティア)」を発売した。スマホで月や太陽などの天体を観測・撮影できるようにする6枚レンズの光学システムで、像を25倍に拡大し天体を鮮明に捉えることができる。
新製品は一冊の本のようにコンパクトなデザインで、一般的な望遠鏡のイメージを一新した。本体の寸法は、約17×24×5.5センチメートル。さらに約850グラムと軽量のため、気軽に持ち出せる。
専用の無料アプリ「Gravity by Vaonis(グラヴィティ・バイ・ヴァオニス)」を使うと、複雑な設定や専門知識がなくても、天体の観測や撮影を行うことができる。
操作は簡単だ。本体を三脚に取り付け、アプリの案内に沿ってスマホを置く。続けてアプリで好みのカメラモードを選ぶと、それに応じた操作画面が表示される。
用意したカメラモードは、「月」や「太陽」のほか、強力な望遠レンズとして機能する「風景モード」。さらに太陽系の惑星や一部の明るいディープスカイオブジェクト(太陽系外の天体)の観測や撮影も可能だ。また、電源やバッテリーを使わないため、電気的な故障の心配がない。
三脚と太陽観測アクセサリーを同梱した「アルティメット・パック」は5月30日に発売し、想定市場価格が税込みで7万円前後。同アクセサリーを付属していない「スタンダード・パック」は、専門店や同社直営店のみで扱う。
ヘスティアは、米クラウドファンディングサイト「キックスターター」で23年に発表した製品。24年には米ラスベガスで開いた家電見本市「CES 2024」でイノベーションアワードを受賞した。