2025.06.05 【サステナブル環境特集】メイコー プリント基板製造工程で銅を回収

精製された銅(左)銅回収システム(右)

 メイコーは、サステナビリティーの取り組みとして環境負荷低減を重要な課題と認識している。

 環境負荷低減目標は、CO₂排出量削減ではグループ全体の原単位で電力2.5%/年削減・燃料2.0%/年削減、2050年度カーボンニュートラル、2030年度国内CO₂排出量原単位50%削減(21年度比)、廃棄物削減では30年度リサイクル率80%、水資源は30年度水使用量原単位10%削減(21年度比)を掲げる。

 同社の主業のプリント基板製造では原材料に非常に多くの銅を使用する。今後の社会で、銅は再生可能エネルギー導入拡大、EV(電気自動車)の普及、AI(人工知能)やデータセンターの成長、新興国の工業化・都市化などにより需要増加が見込まれ、原料不足による高騰なども懸念されている。このため同社は、プリント基板の製造工程で発生する廃液や廃材に含まれる銅の回収に取り組んでいる。

 銅回収の方法は①ソフトエッチング廃液から銅を回収②エッチング廃液から銅を回収③工場廃水から銅を排水処理プロセスで回収④廃棄基板・端材を粉砕・分別して銅を回収など。これらにより、製品に使用する以外の銅はほぼ100%再利用可能となる。さらに、金やパラジウムの回収にも取り組み、希少金属資源の枯渇防止を推進する。