2025.06.09 AIエージェントを信頼するためのトレンドを紹介 アクセンチュア

山根氏

提供:アクセンチュア
提供:アクセンチュア

 コンサルティング大手のアクセンチュアは、仕事を自律的にこなせる「AI(人工知能)エージェント」との共生が常態化する時代が間近に迫る中、AIエージェントとの付き合い方を提示した。まずは既存の規定やルールから脱却し、エージェントに予測を委ねる必要性を強調。その上で、AIエージェントを理解し信頼するための4つのトレンドを示した。

 同社は4日、東京都内で年次レポート「Technology Vision 2025」の説明会を開催。この中で「AIの自律性が切り拓く未来」を見据えた方向性を提示した。

 焦点を当てたのが、「AIによって⼈とコンピューターの役割はどう変わったか」というテーマ。登壇したテクノロジーコンサルティング本部の山根圭輔シニア・マネジング・ディレクターは、「記憶」と「計算」というコンピューターの役割が変化すると予測。「AI(人工知能)が予測を担うようになると、人間に残される主な役割は意思決定になる」との見方を示した。

 ただ、企業で細かく規定されている作業を調整したり変更したりするには時間がかかり、AIエージェントと人との協働は進んでいない。そこで、AIエージェントを信頼して予測を委託するという「理解の第一歩」を踏み出すよう求めた。

 AIエージェントを理解し信頼するためのトレンドの1つが、AIで手軽に作ったプログラムやレポートのデータが氾濫する「バイナリ・ビッグバン」だ。

 さらに新たな顧客との接点を担うAIエージェントが人間らしさを獲得するというトレンドにも注目し、それを「未来の顔」と表現した。
 
 3つ目が「⼤規模⾔語モデル(LLM)が⾝体を持つ時」。ロボットが脳や人に近い身体を獲得し人の形になることで、あらゆる場所での活躍が期待されるようになる。

 山根氏は4つ目として「新たな学習サイクル」を挙げ、⼈とAIが互いに学びながらリーダーシップを発揮し、創造するという好循環を回す必要性を説いた。AIと⼈が「共進化」する時代に求められるスキルにも言及。AIのサポートで随時学習し、それを組織の価値観や行動基準へマッチさせる対応を求めた。

 山根氏は、古来より恐れながらも⾝近に感じて付き合ってきた「妖怪」を例に挙げ、妖怪のような距離感でAIエージェントと適切に付き合う考えも示した。