2025.06.19 NTTコム、20種の「AIエージェント」提供 業界別に効率化を支援 

20種のAIエージェントについて説明するNTTコミュニケーションズの荒川氏=東京都千代田区

AIエージェントを活用した金融業界向けセールス教務のデモンストレーションAIエージェントを活用した金融業界向けセールス教務のデモンストレーション

 NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は19日、20種類の業務を自律的にこなす「AI(人工知能)エージェント」を活用したソリューションを業界別に提供すると発表した。複数のエージェントに業界固有の知識やルールなどのデータを掛け合わせ、業務プロセスに組み込んで活用できるようにする。2026年を目標にエージェントを200種類に増やし、AIと同僚のように協働する時代をけん引したい考えだ。

 同日に提供を始めた業界別ソリューションは、NTTコムが資本業務提携先でAI活用サービスを手がけるエクサウィザーズと共同開発した。両社は業務を理解した複数のAIエージェントを迅速に導入できるよう支援し、企業の生産性向上や競争力強化を後押しする。

 具体的には、文書作成やデータ分析など多様な業務を遂行できる20種類のAIエージェントを個別のニーズに応じて組み合わせ、各業界に特化したソリューションに仕上げる。AIエージェントの展開先の1つが製造業で、「知財文書作成エージェント」が特許申請に必要な書類作成までの一連の業務をこなす展開が想定される。金融業界のセールス業務では、複数のエージェントと人が協働しながら顧客への提案書を効率よく作成することが可能だ。

 初期のターゲットとして設定したのは、専門性が高い業務が多い金融や製造、公共などの業界。今後は全業界を視野に入れ、AIエージェントの種類を10倍に拡張。27年を目標にエージェントの展開先を400社に拡大することを目指す。NTTコムビジネスソリューション本部スマートワールドビジネス部でジェネレーティブAIタスクフォース長を務める荒川大輝氏は「各業界、各業務で真に使える形にしてAIエージェントを届けたい」と意欲を示した。